本日は開館しております(10:00-18:00)
 
木村 伊兵衛 「永井荷風」 1954年
アンリ・カルティエ=ブレッソン 「ジャン=ポール・サルトル」 1946年
3F 展示室

木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン

東洋と西洋のまなざし

2009.11.282010.2.7

  • 開催期間:2009年11月28日2010年2月7日
  • 休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日) ※12月28日(月)~1月1日(金)は年末年始休館
  • 料金:一般 700(560)円/学生 600(480)円/中高生・65歳以上 500(400)円
  • ※各種カード割引あり

( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引(トワイライトカードは除く)/
小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料

木村伊兵衛(1901~1974)とアンリ・カルティエ=ブレッソン(1908~2004)は、日本とヨーロッパと活躍した場は異なりますが、ともに近代的写真表現を切り拓いた写真家として重要な存在です。この二人は、ともに「ライカ」というカメラを人間の眼の延長としてとらえ、揺れ動く現実の諸相を切り取り、それまでになかった新しい「写真」のあり方を証明したといえるでしょう。二人の作品には普遍的ともいえる共通性を見て取れますが、その一方で、日本とヨーロッパというそれぞれが生きた現実の違いも、微妙ではありながら決定的な差異として見て取れることも重要な事実です。
本展では、木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソンという偉大な二人の写真家の個性を堪能するだけではなく、近代的写真表現が絶対的普遍的でありながら、同時にいかに個別的相対的なものであったということを見ようとするものです。木村伊兵衛作品は東京都写真美術館のコレクションを中心に、またアンリ・カルティエ=ブレッソン作品は当館のコレクションを中心に国内各美術館の所蔵作品も含め、全体で153点をご紹介いたします。

■展覧会の見どころ
(1)木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン、偉大な二人の写真家の視点と接点とは?
日本とフランスを代表する写真家として世界的に活躍した二人は、写真という表現に、どのような視点で取り組んだのでしょうか。幾何学的に対象を配置し、整然と美しいフレーミングにこだわったアンリ・カルティエ=ブレッソン。一方、木村伊兵衛は人と人の関係を重視し、日常の瞬間としての表情やしぐさを豊かに捉えました。街角や人物などテーマやシチュエーションが同様の作品では、特にその違いや共通点がはっきりと見て取れます。また、1954年に渡仏した木村はカルティエ=ブレッソンと接点を持ちます。ともにパリの街に繰り出し、スナップショットを撮ったという二人は、どれほど触発しあったことでしょうか。
この展覧会は、二人の作品を見比べるというだけではなく、それぞれの作品における豊かな表現の神髄をご堪能いただきながら、近代的写真表現のあり方を考えるものです。複雑な時代背景にもかかわらず、写真家として人間として、ともに意識をしながらも、それぞれの表現を極めた二人の写真家の軌跡をお楽しみください。

(2) 代表作から希少なプリントまで、豊かな作品群を堪能。
今回の展示では、アンリ・カルティエ=ブレッソン「サン=ラザール駅裏、パリ」(1932年)や木村伊兵衛「永井荷風」(1954年)などの有名作・代表作から、木村が1954年にパリを撮影したカラー作品や、カルティエ=ブレッソンがパリで撮った木村のポートレイトなどの希少な作品まで、バラエティ豊かな作品153点をご紹介いたします。木村伊兵衛作品は、500点余を誇る東京都写真美術館のコレクションより選りすぐった91点を、アンリ・カルティエ=ブレッソン作品は国内各美術館の所蔵作品も含め62点をご紹介します。

(3)コンタクトプリントを参考資料として初展示
この展覧会では、参考資料として木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソンのコンタクトプリント(撮影フィルムのベタ焼き)を初公開いたします。木村伊兵衛は代表作「本郷森川町」(1953年)や「パリ、地下鉄入口」(1955年)を含むモノクロ作品のコンタクト・プリントを展示。また、アンリ・カルティエ=ブレッソンのコンタクトプリントが公開されるのは日本初となります。

(4) 作品発表当時の写真集や雑誌を多数展示します
作品が発表された貴重な資料として、アンリ・カルティエ=ブレッソンの写真集『決定的瞬間 (Image a la sauvette)』(1952年)や『LIFE』などの雑誌、木村伊兵衛の写真集『木村伊兵衛傑作写真集』(1954年)や『光画』『アサヒカメラ』などの雑誌を多数展示いたします。

 
木村伊兵衛 「本郷森川町」 1953年
アンリ・カルティエ=ブレッソン「マルヌ河畔で、フランス」1938年 ©Henri Cartier-Bresson/Magnum Photos


□主催:東京都 東京都写真美術館/朝日新聞社
□協力:横浜美術館/マグナム・フォト東京支社/フォト・ギャラリー・インターナショナル


関連イベント

担当学芸員によるフロアレクチャー
2009年12月11日(金) 16:00~  終了致しました
2009年12月25日(金) 16:00~  終了致しました
2010年1月8日(金) 16:00~  終了致しました
2010年1月22日(金) 16:00~  終了致しました
※展覧会チケットの半券(当日印)をお持ちの上、会場入り口にお集まりください。
新春特別フロアレクチャー
2010年1月2日(土) 16:00~  終了致しました
2010年1月3日(日) 16:00~  終了致しました
※展覧会チケットの半券(当日印)をお持ちの上、会場入り口にお集まりください。

関連上映作品
2010年1月7日(木) 上映最終回には、担当学芸員によるトークが開催されます。~  終了致しました
2010年1月8日(金) 上映最終回には、担当学芸員によるトークが開催されます。~  終了致しました
2010年1月14日(木) 上映最終回には、担当学芸員によるトークが開催されます。~  終了致しました
2010年1月15日(金) 上映最終回には、担当学芸員によるトークが開催されます。~  終了致しました
本展に関連して、1階ホールにて映画を上映します。
上映作品:『アンリ・カルティエ=ブレッソン 瞬間の記憶』
※1月7日(木)、8日(金)、14日(木)、15日(金)の上映最終回には、担当学芸員によるトークが開催されます。
詳細はこちら→

展覧会図録

木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン
今展覧会の公式図録です。ふたりの作品を約50点ずつ掲載し、作品リストも収録しています。当店のみでの販売です。

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--- ミュージアムダイアリー2010 ---
木村伊兵衛の作品が一年を飾る、すてきなダイアリーが出来上がりました。
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