本日は開館しております(10:00-18:00)

「Scene」より 道-サイパン島在留邦人玉砕があった崖に続く道 2003年

2F 展示室

米田知子

暗なきところで逢えれば

2013.7.209.23月・祝

  • 開催期間:2013年7月20日9月23日月・祝
  • 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)
  • 料金:一般 700(560)円/学生 600(480)円/中高生・65歳以上 500(400)円 ※9/16(祝)敬老の日は65歳以上の方は無料
  • ※各種カード割引あり

( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引(トワイライトカードは除く)/ 小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料

日本を代表する写真家の一人である米田知子の個展を開催します。米田の作品は“記録”という写真の根本的な役割をベースにしながら、現実に見えているものだけではなく、そこにある記憶や歴史を背景に投影しています。初展示となる「サハリン島」や映像作品、そして近年の代表作より、日本やアジアの近代化における記憶や歴史をテーマに構成しました。いま存在する風景や建物に、過去にどのような出来事が起こったのか。写真を見る側はその事実を知った途端に、見えているイメージが別のものに見えてくる錯覚を覚えます。米田の作品は写真というメディアの持つ特質を最大限に生かしながら、鑑賞する側に見えているものの本質を、あらためて問いかけています。


出品作品シリーズ>>見えるものと見えないもののあいだ、kimusa、Japanese House、パラレル・ライフ:ゾルゲを中心とする国際諜報団密会場所、Scene、積雲、サハリン島(新作・初公開)、氷晶(新作・初公開)、暗なきところで逢えれば(映像作品・初公開)

「暗なきところで逢えれば」より 2013年

「サハリン島」より 北緯50度、旧国境 2012年 作家蔵
「サハリン島」より  帝政ロシア時代、囚人が掘ったトンネルの入口、”3人兄弟の岩”をながめて 2012年 作家蔵

「Japanese House」より 日本統治時代に設立された台湾銀行の寮、後の中華民国中央銀行職員の家(齊東街台北) 2010年
「Japanese House」より  蒋介石政権時代の参謀総長であった王叔銘将軍の家(齊東街・台北)I 2010年 作家蔵

「積雲」より 平和記念日・広島 2011年
「パラレル・ライフ」より 東京宝塚劇場(クラウゼン/ヴトケウィッチ) 2008年

「Scene」より  野球場-終戦直前まで続けられた特攻出撃の基地の跡/知覧 2000年 IZU PHOTO MUSEUM蔵
「積雲」より  白い鳩・終戦記念日・靖国神社 2011年 東京都写真美術館蔵

「Between visible and invisible」より  谷崎潤一郎の眼鏡-松子夫人への手紙を見る 1999年 東京都写真美術館蔵
All photo Courtesy of ShugoArts

時は我々が何もしなくても流れていく。
ただじっとしていても、鼓動と血脈があるよう
ただ生きている。

空をみて、雲は早くも遅くも常に
形を変えて彼方へと消えていく。

何一つ、誰一人、
同じ場所(ところ)で、
同じ思いであるということは不可能だろう。

我々は目の前に写しだされた像を見ては
(無垢なき)観念 − を見いだす。

それは外から染められた
しかし内に秘めた 姿なき像である。

それは見えているのだが、
見えていないということと同じかもしれない。

見えないということは
見えているということに等しいかもしれない。

永遠ということは悲観的概念であり、
すべては永遠ではない − ことで
永遠を渇望する。

それに気づくのか、気がつかないか

'過去を支配するものは 未来をも支配し
今を支配するものは 過去をも支配する'※

全ては断面的なことではなく
相反しながらも、継続的なことである。

米田 知子

George Orwell Nineteen Eighty-Four Penguin Books版より 翻訳は米田知子が行った。


米田知子 略歴
1991年 ロイヤル・カレッジオブアート(ロンドン) 修士課程修了
2001年 「手探りのキッス 日本の現代写真」 東京都写真美術館、丸亀市猪熊弦一郎 現代美術館 
2003年 個展「記憶と不確実さの彼方」 資生堂ギャラリー/東京
2007年 第52回 ヴィネチア・ビエンナーレ(イタリア館およびアルセナーレ)
2008年 個展「米田知子展―終わりは始まり」 原美術館/東京
           第13回 アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラディッシュ 2008
2012年 キエフ・ビエンナーレ


NHK教育テレビ「日曜美術館」のアートシーン(展覧会情報)で「米田知子 暗なきところで逢えれば」展が
紹介されました。

放映日時:2013年8月18日(日) よる8時~(アートシーンは8時45分~9時)
○番組のホームページはこちら→


□主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/読売新聞社/美術館連絡協議会
□助成:芸術文化振興基金
□特別協賛:株式会社資生堂/富士フイルムイメージングシステムズ株式会社
□協賛:ライオン株式会社/清水建設株式会社/大日本印刷株式会社/株式会社損保ジャパン/日本テレビ放送網/東京都写真美術館支援会員ほか
□協力:株式会社写真弘社/公益財団法人東京都歴史文化財団 トーキョーワンダーサイト

関連イベント

対談/片岡真実(森美術館 チーフ・キュレーター)×米田知子(出品作家)
2013年7月20日(土) 15:00~16:30  終了致しました
本展覧会の半券をお持ちの方に当日10時より1F受付で整理券配布。番号順入場、自由席。
会場:2階ラウンジ
開場:14:45/定員:50名
対談/半藤一利(小説家)×米田知子(出品作家)
2013年7月27日(土) 15:00~16:30  終了致しました
本展覧会の半券をお持ちの方に当日10時より1F受付で整理券配布。番号順入場、自由席。
会場:2階ラウンジ
開場:14:45/定員:50名
担当学芸員によるフロアレクチャー
2013年8月2日(金) 14:00~  終了致しました
2013年8月16日(金) 14:00~  終了致しました
2013年9月6日(金) 14:00~  終了致しました
2013年9月20日(金) 14:00~  終了致しました
※本展覧会の半券(当日有効)をお持ちの上、会場入口にお集まりください。

展覧会図録

米田知子 暗なきところで逢えれば
展覧会の開催にあわせて全出品作品の図版、関係者および担当学芸員によるテキストを掲載しています。B5変形 184ページ 発行:平凡社

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