本日は開館しております(10:00-20:00)
 
ウィーン、198
2F 展示室

古屋誠一 メモワール.

「愛の復讐、共に離れて…」

2010.5.157.19月・祝

  • 開催期間:2010年5月15日7月19日月・祝
  • 休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
  • 料金:一般 800(640)円/学生 700(560)円/中高生・65歳以上 600(480)円
  • ※各種カード割引あり

( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引(トワイライトカードは除く)/ 小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料

東京都写真美術館では、1970年代からヨーロッパを拠点に活動する古屋誠一の「メモワール.」展を開催いたします。古屋誠一は、1950年静岡県に生まれ、1972年に東京写真短期大学(現東京工芸大学)を卒業後、1973年にシベリア経由でヨーロッパに向かい、1987年以降はオーストリアのグラーツを拠点に精力的に作品制作を続けています。隣接する国々の国境地帯やベルリンの壁など、様々な「境界」を問う作品を発表する一方、オーストリアの写真批評誌『カメラ・オーストリア』では、創刊時から編集に参加し、日本の写真家をヨーロッパに紹介するなど、幅広い活動を展開しています。1985年に東ベルリンで自ら命を絶った妻クリスティーネを撮影した写真集『Mémoires(メモワール)』では、家族が抱える闇や悲しみ、社会における生と死の問題を露呈し、国際的に高い評価を得ました。主な著作に、1980年に滞在したアムステルダムからなる写真集『AMS』、『Seiichi Furuya Mémoires 1995』などがあり、2002年には『Last Trip to Venice』により第27回伊奈信男賞、2007年には『Mémoires 1983』により第19回写真の会賞を受賞のほか、国内外の展覧会に多数参加しています。近年は、妻クリスティーネの手記を掲載した写真集も制作し、現代社会における家族のあり方を問う写真家としても注目を集めています。

本展は、1989年より20年あまり発表し続けている「メモワール」の主題の集大成となる展覧会です。「彼女の死後、無秩序な記憶と記録が交差するさまざまな時間と空間を行きつ戻りつしながら探し求めていたはずの何かが、今見つかったからというのではなく、おぼろげながらも所詮なにも見つかりはしないのだという答えが見つかったのではないか」(2010年1月インタビューより)という古屋の思いは、ピリオドを打った展覧会タイトル「メモワール.」にも表れています。

事実と正面から向き合い、もう一人の自己を相手に、時間と空間を超えて生き続ける記憶を、蘇生させ編み直してきた古屋の制作活動。「写真とは心の奥深くに籠る“どうしようもない何か”と向き合い、さらにそれを表現の場へと引き上げることを可能にしてくれる素晴らしいメディアである」という古屋の表現の世界を、東京都写真美術館収蔵作品「Mémoires(メモワール)」シリーズを中心に124点で展覧します。また、古屋作品の真髄でもある写真集の編集過程を公開、古屋自らが編集・製本した未発表の自家版写真集も出品いたします。



東ベルリン、1986

□ 主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/産経新聞社
□ 協力:オーストリア大使館/IZU PHOTO MUSEUM/株式会社アイワード/フォト・ギャラリー・インターナショナル
□ 後援:サンケイスポーツ/夕刊フジ/フジサンケイビジネスアイ/iza!/SANKEI EXPRESS

関連イベント

担当学芸員によるフロアレクチャー
2010年5月21日(金) 14:00~  終了致しました
2010年6月4日(金) 14:00~  終了致しました
2010年6月18日(金) 14:00~  終了致しました
2010年7月2日(金) 14:00~  終了致しました
2010年7月16日(金) 14:00~  終了致しました
※展覧会チケットの半券(当日印)をお持ちの上、会場入り口にお集まりください。
トークイベント
2010年6月4日(金) 18:30~20:00  ゲスト:小林紀晴  終了致しました
2010年6月5日(土) 18:30~20:00  ゲスト:荒木経惟、倉石信乃   終了致しました

会場:東京都写真美術館 1階ホール(定員190 名)
※両日共に当日朝10時より1階受付にて本展覧会チケットをお持ちの方に整理券を配布します。
先着順、番号順入場、自由席

 

○ゲスト:小林紀晴(写真家)
日時:6月4日(金)18:30~20:00

テーマ「10年の旅、古屋誠一を追って」
司会進行:石田留美子(東京都写真美術館 学芸員)
古屋誠一を追い続けて10年という、小林紀晴氏によるスライド上映とトークを行います。
この10年のあいだに、アルル、ニューヨーク、サンディエゴ、メキシコ、プラハ、ドレスデン、ベルリン、リオン、東京など様々な場所で古屋を追った小林氏。
撮影した未公開の古屋の素顔(ポートレイト、スナップ写真)をスライドで約150点上映、作品の真髄に迫ります。また、現在も執筆中(集英社から出版予定)の古屋誠一の物語についてもお話を伺います。

 

○ゲスト:荒木経惟 (写真家)、倉石信乃 (明治大学大学院准教授/近現代美術史・写真史)
日時:6月5日(土)18:30~20:00

テーマ「愛の復讐、共に離れて…」
司会進行:笠原美智子(東京都写真美術館 事業企画課長)
「センチメンタルな旅」等、妻のポートレートでも知られる荒木経惟氏が語る古屋誠一作品とは?
古屋氏はかつて荒木氏の展覧会をヨーロッパで企画する等、80年代から交流があります。
今回はスペシャルゲストに倉石信乃氏を迎え、古屋作品を初期から知る写真家と批評家の視点からも、古屋作品の魅力を追究します。

 

※古屋誠一氏は体調不良により来日を見合わせることになりました。
当初予定していた対談イベントは、ゲストによるトークイベントとして開催いたします。
あらかじめご了承いただきますようお願いいたします。

展覧会図録

展覧会図録「古屋誠一 メモワール. 愛の復讐、共に離れて…」
出品作品124点をすべて掲載しています。
A4変形 168ページ 2,500円(税込) 発行:産経新聞社

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