本日は開館しております(10:00-20:00)
   
   

世界一美しい本を作る男

―シュタイデルとの旅―

1F ホール

2014.5.185.30

  • 公式ホームページ → http://steidl-movie.com/

  • お問い合せ:playtime 03-3409-9178
  • 上映期間:2014年5月18日(日)~5月30日(金)
  • 休映日:5月19日(月)、5月23日(金)、5月26日(月)
  • 上映時間:10:30 ※1日1回の上映です。
  • 料 金:一律1,500円 ※その他割引はございません。

 
   
ノーベル文学賞を受賞した小説家ギュンター・グラス、アメリカを代表する写真家ロバート・フランク、シャネルのカリスマデザイナーカール・ラガーフェルド―――天才たちに愛される男ゲルハルト・シュタイデル。世界中を忙しく飛び回り、アーティストたちと意見を交わし、掲載する作品の選定から、サイズ、レイアウト、紙質はもちろんインクの匂いにまでこだわり、世界一美しい本を作りだします。シュダイデル社の秘密にせまるドキュメンタリー映画がいよいよ公開です。さあ、シュタイデルと世界のアーティストに会いに行こう。

監督:ゲレオン・ヴェツェル (『エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン 』)&ヨルグ・アドルフ
出演:ゲルハルト・シュタイデル、ギュンター・グラス、カール・ラガーフェルド、ロバート・フランク、ジョエル・スタンフィールド
原題:「How to make a book with STEIDL」/2010年/ドイツ



   

【プロフィール】  
ゲルハルト・シュタイデル
1950年生まれ。67年にデザイナー、出版者としてのキャリアをスタートさせる。68年にケルンで開催されたアンディ・ウォーホルの展覧会で強烈な色使いに魅了され、芸術家の印刷技術についてウォーホルと直接話しをする。同年、地元のゲッティンゲンでシュタイデル社と印刷所を創設。現在も独立した私有会社として存続する。創設後、芸術家のヨーゼフ・ボイス、クラウス・シュテークの版画やポスターの制作し、72年には初となるアートブック「Befragung der Documenta」を手掛ける。また74年に政治に関する文書の制作も業務に加え、80年代初期には文学や厳選された芸術や写真の作品を制作する。96年からは世界に向けて写真集を出版し始め、原稿の作成から設定、レイアウト、プリプレス、そして印刷までを一貫して行う。作業は最初の段階から出来る限り、閉鎖的な体制の「内部」でのみ行われ、このような「総合的」なアプローチは他社では見られない特徴である。ドイツ国内では、シュタイデル社は文学作品の製本で数十年前から広く知られているが、最も有名な作家はノーベル賞受賞者のギュンター・グラス。同じくノーベル賞受賞者であるアイスランド作家のハルドル・ラクスネスの作品ほか、社会学者のオスカー・ネークトの執筆物を手掛けるなど、英文学やドイツ文学にも力を入れている。いまではシュタイデル社は一流の写真集の制作で、世界中にその名を知られており、制作依頼主は一流の写真家や主要な美術館が多い。



【劇中に登場するアーティストたち】
ロバート・アダムス
1937年、ニュージャージー州オレンジ生まれ。73年に開催された伝説的な展覧会、「ニュー・トポグラフィックス」への参加で有名に。その作品はヨーロッパや米国で何度も発表されているほか、『The New West』、『What We Bought』、『Our Lives and Our Children』、『Turning Back』などの写真集は30点を上回る。これまでに、マッカーサー・フェロー賞、Spectrum International Prize for Photography(スペクトル国際写真賞)、ドイツ・ボーズ写真賞など、数々の賞を受賞。

ジョン・コーエン
1932年、ニューヨーク生まれ。写真家、映画制作者であり、ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズの結成メンバーの1人。イェール大学で学び、50年代からニューヨークのアートシーンに参加し『プル・マイ・デイジー』(59年)ではロバート・フランクと協働。複数の写真集や映画を発表するほか、ディラード・チャンドラーやロスコー・ホルコムなど、伝統的なアメリカのミュージシャンのアルバムをプロデュースしている。

ロバート・フランク
1924年、チューリッヒ生まれ。47年に渡米。58年に出版された写真集『The Americans』は、写真集の美学を革新する先駆的な作品となった。その他にも『Black White and Things』や『The Lines of My Hand』などの写真集を発表するほか、『プル・マイ・デイジー』など複数の映画も制作。その作品は世界中の美術館に展示されている。ニューヨークとノバスコシアに在住。すべての写真と映画の作品はシュタイデルによって出版されている。

ギュンター・グラス
1927年、ダンツィヒ生まれ。小説、『ブリキの太鼓』で一躍有名に。多数の小説(『犬の年』、『ひらめ』、『女ねずみ』 『はてしなき荒野』など)のほか、詩、戯曲、随筆、中編小説(『猫と鼠』、『テルクテの出会い』)、短編小説、自伝的作品(『玉ねぎの皮をむきながら』、『箱型カメラ』、『グリムの言葉』)も執筆。また、視覚芸術家として、描画、版画、彫刻も手掛けている。 99年のノーベル文学賞をはじめ、数々の賞を受賞している。

カール・ラガーフェルド
ファッションデザイナー、スタイリスト、出版者、書店経営者。1993年にレイモンド・ローウィ財団のラッキー・ストライク・デザイナー・アワードを、そして96年にはKulturpreis der Deutschen Gesellschaft fur Photographie(ドイツ社会写真文化賞)を受賞。94年からシュタイデル社と写真集を出版。

マーティン・パー
1952年、サリー州エプソム生まれ。英国人で最も影響力を持つ現代写真家の1人。そのユニークな視点は、中流階級の暮らしの中にある、ありふれていながらもグロテスクな側面や、人間の消費の世界を露わにしている。写真という媒体が鏡として用られるその作品には、皮肉かつ愛情を込めてテーマが反映されている。94年から写真家グループであるマグナム・フォトの正会員。

エド・ルシェ
1937年、ネブラスカ州オマハ生まれ。ロサンゼルスのシュイナード美術大学で学ぶ。これまでに4回のドクメンタに参加している彼の作品は世界中で発表され、数多くの主要な美術館やコレクションでも展示されている。ロサンゼルス在住。 現在、シュタイデルによって作品のカタログレゾネの出版が進行中。これまでには、『Then & Now』、『Ed Ruscha, Photographer』、そしてジャック・ケルアックの原作を基にしたアーティストブックの『路上』がシュタイデルによって出版されている。

ジョエル・スタンフェルド
1944年、ニューヨーク生まれ。写真集の『American Prospects』(78年)の発表以来、最も有力なカラー写真アーティストの1人とされている。これまでに2度のグッゲンハイム・フェローシップやローマ賞など、数多くの賞を受賞している。写真集の『Walking the High Line』、『Treading on Kings』、『American Prospects(新版)、『Sweet Earth: Experimental Utopias in America』、『When it Changed』、『Oxbow Archive』、『iDubai』がシュタイデルによって出版されている。

ジェフ・ウォール
1946年生まれ。生まれ故郷であるバンクーバーに在住し、ブリティッシュコロンビア大学で美術史の教鞭をとっている。4回にわたるドクメンタで発表された作品は、瞬く間に世界中で有名となった。2002年にハッセルブラッド国際写真賞を受賞。その作品のカタログレゾネは、05年にシュタイデル社によって出版されている。ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズは、58年にマイク・シーガー、ジョン・コーエン、トム・ペイリー(のちにトレイシー・シュルツに交代)によって結成された伝統的なブルーグラスバンドであり、20、30年代の音楽をベースとする。古いサウンドや演奏スタイルを好み、現代的なクリーンなサウンドは演奏しない。フォークウェイズ・レーベルからリリースされた『Songs from the Depression』などのアルバムの音源が、現在スミソニアン協会から販売されている。

 
   

関連イベント

アフタートーク
2014年5月24日(土) 10:30の回上映後  終了致しました
【登壇者】 大野 留美(テレビマンユニオン)
  伊藤 貴弘(東京都写真美術館 学芸員)