本日は開館しております(10:00-20:00)

STLLFRIED & ANDEREN
スティルフリード&アンダーセン"Views & Costumes of Japan"より

Portrait of Woman (女性像)1877-85年 

TALBOT, William Henry Fox

ウィリアム・ヘンリー・フォックス タルボット 世界初の写真集 “The Pencil of Nature(自然の鉛筆)”より
The Open Door(開いた扉)1844-1846

3F 展示室

開館10周年特別企画展「写真はものの見方をどのように変えてきたか」

第1部 ~ 誕 生 ~

2005.4.25.22

  • 開催期間:2005年4月2日5月22日
  • 休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
  • 料金:一般 500(400)円/学生 400(320)円/中高生・65歳以上 250(200)円
  • ※各種カード割引あり

( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引(トワイライトカードは除く)/
小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料






1988年から15年にわたって続けられてきた当館のコレクションには、古今東西の優れた写真作品が23,000点以上収蔵されています。その特徴として、約70%が日本人による作品であるということがあげられます。これは幕末に写真術が渡来してから今日に至るまでの日本の写真の歴史と現在を体系的にたどることができるということでもあります。それと同時に、世界の写真史を理解するために海外の美術館に対しても誇りうる写真史上重要な欧米の作品も数多く収蔵しています。今回の連続4回にわたる写真展は写真が私たちの生活や思考にどのような役割を果たし、影響を与えてきたかという切り口で、東京都写真美術館がこれまで収集してきた作品の魅力をご紹介していきます。
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ルネサンス期、自然科学への興味の高まりから【カメラ・オブスクラ】の諸原理が衆目を集めました。色彩が鮮やかに照射される映像は世界を瞳で把握する手段として、第一の視覚【裸眼】に次ぐ第二の視覚と呼べるほど西欧の社会に浸透しました。 第三の視覚【フォトグラフ】は19世紀前半のヨーロッパに誕生しました。それは、これまでとは全く異なった視覚経験を人間にもたらすことになりました。人物、風景だけでなく、微小なものから極大なものまで、ダゲレオタイプの銀板、ダイレクト・プロセスによる紙など、さまざまな発明によって世界に定着していったのです。これまでの映像写真が「動く」物でしかなかったのに対して、【フォトグラフ】の映像は「止まった」ものでした。これによって、これまで裸眼とカメラ・オブスクラで動画画像しか捉えられなかった人間の視覚は大きく変わっていきました。1844年~46年にウイリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット(英)が出版した世界初の写真集「自然の鉛筆(The Pencil of Nature)」には建物やレース編み、植物、演出を加えたアート作品が収められ、写真によって様々なことが出来るようになったということが雄弁に語られています。 また、今でこそ自分自身の画像(肖像)を持つことは当たり前の時代になりましたが、当時は王様や貴族のみが持てる貴重なものでした。それが写真の発明によって、一般にもどんどん普及するようになったわけです。“見知らぬ国の風景をこの目で見られる”ということもあるでしょう。まさに「世界を手の中にできる時代」になりました。一方、日本では、1848年に「写真器」が輸入された後、1854年にはペリーとともに初めて写真師が訪れ、多くのイメージ・ハンターが幕末の日本へと渡航します。やがて江戸や横浜、長崎などを中心に日本人写真師が登場します。当時、「ポトガラヒー」(photography)と呼ばれた日本の写真は、肖像、風俗、風景とさまざまに展開し独自の写真史を歩みはじめます。第1部では写真術が渡来した日本も含め、19世紀の写真世界がどのようなものであったかを、技術の発展や写真と社会の関係を通じて探っていきます。


第1部「誕生」展示風景


□主催: 東京都/東京都写真美術館
□協賛: フォト・ギャラリー・インターナショナル
□開館10周年特別協賛: キヤノン株式会社/サッポロホールディングス株式会社/株式会社資生堂/株式会社写真弘社/ソニー株式会社/大日本印刷株式会社/凸版印刷株式会社/株式会社日本発色/富士フイルムイメージング株式会社/株式会社リコー(50音順)

展覧会図録

開館10周年特別企画
東京都写真美術館コレクション展
写真はものの見方をどのように変えてきたか : 第1部「誕生」

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