本日は開館しております(10:00-18:00)
ルイジ・ギッリ《ボローニャ》〈モランディのアトリエ〉1989-90年 東京都写真美術館蔵 © Eredi di Luigi Ghirri
ルイジ・ギッリ《ボローニャ、1989-90》〈ジョルジョ・モランディのアトリエ〉より 1989-90年 東京都写真美術館蔵 ©Heirs of Luigi Ghirri
2F 展示室

総合開館30周年記念
ルイジ・ギッリ 終わらない風景

2025.7.39.28

  • 開催期間:2025年7月3日9月28日
  • 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
  • 料金:一般 800(640)円/学生 640(510)円/高校生・65歳以上 400(320)円 ※( )は有料入場者20名以上の団体、当館映画鑑賞券提示者、各種カード会員割引料金 ※各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。/中学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)、TOPMUSEUM PASSPORT 2025提示者は無料/8月14日(木)~9月26日(金)の木・金曜日17:00-21:00はサマーナイトミュージアム割引(学生・高校生無料、一般・65歳以上は団体料金。学生証・年齢が確認できるものをご提示ください。)/第3水曜日は65歳以上無料 ※各種割引の併用はできません。

このたび東京都写真美術館は、総合開館30周年記念展として、イタリアを代表する写真家ルイジ・ギッリ(1943-1992)の個展を開催します。
ギッリは測量技師としてのキャリアを積んだのち、コンセプチュアル・アーティストたちとの出会いをきっかけに、1970年代から本格的に写真家として活動を始めました。ギッリにとって写真とは、現実世界の複製ではなく、フレーミングされた「見られた」視覚的断片によって風景を作り出すための手段でした。彼がこの表現手段を通じて試みたのは、通り過ぎる風景の中に現実とイメージの関係性を見出し、「在」と「不在」、外的世界と内的世界について思索を深めることでした。
本展では、1970年代から晩年にかけてギッリが撮影したイタリアや旅先の風景、アーティストのスタジオ、自宅の室内、美術品、看板やポスター、窓や鏡に映る風景など、多様な視覚的断片によって構成された風景表現を紹介します。あわせて、ギッリの活動を語るうえで欠かせない存在であり、自身もグラフィック・デザイナーとして活動した妻パオラ・ボルゴンゾーニ(1954-2011)の作品や資料も展示し、約20年にわたるギッリの写真に対する多角的な思索をたどります。ギッリが探求し続けた、終わりのない風景に対する解釈と世界観に触れる機会となれば幸いです。

作家プロフィール
ルイジ・ギッリ(1943-1992)
イタリアのレッジョ・エミリア県スカンディアーノ生まれ。1970年代より本格的に写真制作に取り組む。色彩、空間、光に対する類まれな美的感覚と、ありふれたものをユーモラスに視覚化する才能によって、主にカラー写真による実験的な写真表現を探求してきた。また制作活動のみならず、写真専門の出版社「Punto e Virgola(プント・エ・ヴィルゴラ)」を仲間たちと立ち上げ、さらにプロジェクト大学で写真理論に関する講義を行うなど、多岐にわたる活動を展開した。

ルイジ・ギッリ《カプリ、1981》〈イタリアの風景〉より 1981年 ©Heirs of Luigi Ghirri
ルイジ・ギッリ《カプリ、1981》〈イタリアの風景〉より 1981年 ©Heirs of Luigi Ghirri

ルイジ・ギッリ《ザルツブルク、1977》 〈F11、1/125、自然光〉より 1977年 ©Heirs of Luigi Ghirri
ルイジ・ギッリ《ザルツブルク、1977》 〈F11、1/125、自然光〉より 1977年 ©Heirs of Luigi Ghirri

ルイジ・ギッリ《レッジョ・エミリア、1985》 〈F11、1/125、自然光〉より 1985年 ©Heirs of Luigi Ghirri
ルイジ・ギッリ《レッジョ・エミリア、1985》 〈F11、1/125、自然光〉より 1985年 ©Heirs of Luigi Ghirri

ルイジ・ギッリ《モデナ、1970》〈初期作品〉より 1970年 ©Heirs of Luigi Ghirri
ルイジ・ギッリ《モデナ、1970》〈初期作品〉より 1970年 ©Heirs of Luigi Ghirri

ルイジ・ギッリ《ボローニャ、1989-90》〈ジョルジョ・モランディのアトリエ〉より 1989-90年 東京都写真美術館蔵 ©Heirs of Luigi Ghirri
ルイジ・ギッリ《ボローニャ、1989-90》〈ジョルジョ・モランディのアトリエ〉より 1989-90年 東京都写真美術館蔵 ©Heirs of Luigi Ghirri

私は写真を作りたかったのではなく、写真であると同時に地図や設計図を作りたかったのです。
―― ルイジ・ギッリ

石、教会、ジェスチャー、光、霧、霜に覆われた枝、青い海、これらの場所を次々と並べていくと、 一種のシークエンスが作り出される。そして私たちを位置づける地理的秩序もスケールもなく、 モニュメント、光、思考、オブジェクト、瞬間が絡み合った、手に負えないほどの図形となる。まるで、それらがあらゆる方角を示す想像上のコンパスの針であるかのように。
―― ルイジ・ギッリ

※事業は諸般の事情により変更することがございます。 あらかじめご了承ください。

主催|公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
後援|駐日イタリア大使館
助成|公益財団法人ポーラ美術振興財団
協賛|東京都写真美術館支援会員

関連イベント

トークイベント
2025年7月5日(土) 14:00~17:00
登壇者:アデーレ・ギッリ(ルイジ・ギッリ財団代表)、
イラリア・カンピオーリ(レッジョ・エミリア市立博物館キュレーター)、
山田裕理(東京都写真美術館 学芸員)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(整理番号順入場/自由席/伊日通訳付)
参加費:無料
※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布します
※やむを得ず本事業の開催が困難となった場合は、オンライン開催を予定しています
担当学芸員によるギャラリートーク
2025年7月11日(金) 14:00~
※当日有効の本展チケットまたは展覧会無料対象者の方は各種証明書等をご持参のうえ、2階展示室入口にお集まりください。
担当学芸員によるギャラリートーク(手話通訳付)
2025年8月1日(金) 14:00~
2025年9月5日(金) 14:00~
※当日有効の本展チケットまたは展覧会無料対象者の方は各種証明書等をご持参のうえ、2階展示室入口にお集まりください。
ドキュメンタリー映画『Infinito』上映とゲストによるアフタートーク
(上映80分+アフタートーク約50分)
①8月24日(日)14:00~16:30 ゲスト:岡田温司(京都大学名誉教授)
②9月12日(金)17:00~19:30 ゲスト:森岡督行(森岡書店代表)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名(整理番号順入場/自由席/日本語字幕付)
参加費:無料
※当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布します