総合開館30周年記念 ルイジ・ギッリ
2025.7.3(木)—9.28(日)
- 開催期間:2025年7月3日(木)~9月28日(日)
- 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
- 料金:一般 800(640)円/学生 640(510)円/高校生・65歳以上 400(320)円 ※( )は有料入場者20名以上の団体、当館映画鑑賞券提示者、各種カード会員割引料金 ※各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。/中学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)、TOPMUSEUM PASSPORT 2025提示者は無料/8月14日(木)~9月26日(金)の木・金曜日17:00-21:00はサマーナイトミュージアム割引(学生・高校生無料、一般・65歳以上は団体料金。学生証・年齢が確認できるものをご提示ください。)/第3水曜日は65歳以上無料 ※各種割引の併用はできません。
私は写真を作りたかったのではなく、写真であると同時に地図や設計図を作りたかったのです。
―― ルイジ・ギッリ
石、教会、ジェスチャー、光、霧、霜に覆われた枝、青い海、これらの場所を次々と並べていくと、
一種のシークエンスが作り出される。そして私たちを位置づける地理的秩序もスケールもなく、
モニュメント、光、思考、オブジェクト、瞬間が絡み合った、手に負えないほどの図形となる。
まるで、それらがあらゆる方角を示す想像上のコンパスの針であるかのように。
―― ルイジ・ギッリ
欧米での個展開催やドキュメンタリー映画の発表など、近年国際的に注目されるイタリアの写真家、ルイジ・ギッリ(1943-1992)のアジア初の美術館個展を開催します。ギッリはその類まれな色彩、空間、光への美的感覚と、ありふれたものをユーモラスに視覚化する才能によって、写真表現を新たなレベルへと引き上げました。
現実とイメージ、在と不在、外界と内なる世界、それぞれを同じレベルで見つめ、その調和や多義性を視覚化するギッリの写真は、写真が世界のあるがままの複製ではなく「見られた」世界の断片の集合であり、眼差しの証明であることを示しています。そして、どのようにイメージを通して世界や社会を考えるかという無限の問いを私たちに投げかけてきます。
毎日のようにニュースに流れてくる紛争の映像、パンデミックによる不確かな日常、サステナブルな在り方が問われる社会、SNSで流れる広告やライフスタイル。様々なことが起こり続ける私たちの生活には、常にあらゆるイメージが存在しています。ギッリはどのようにこのイメージと現実を見つめてきたのか。軽やかでありながら密度をもって問いかけています。
作家プロフィール
ルイジ・ギッリ(1943-1992)
イタリアのレッジョ・エミリア県スカンディアーノ生まれ。1970年代より本格的に写真制作に取り組む。色彩、空間、光に対する類まれな美的感覚と、ありふれたものをユーモラスに視覚化する才能によって、主にカラー写真による実験的な写真表現を探求してきた。また制作活動のみならず、写真専門の出版社「プント・エ・ヴィルゴラ(Punto e Virgola)」を仲間たちと立ち上げ、さらにプジェクト大学で写真理論に関する講義を行うなど、多岐にわたる活動を展開した。
主催|公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館
後援|駐日イタリア大使館
助成|公益財団法人ポーラ美術振興財団
協賛|東京都写真美術館支援会員