総合開館30周年記念 TOPコレクション トランスフィジカル
2025.7.3(木)—9.21(日)
- 開催期間:2025年7月3日(木)~9月21日(日)
- 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
- 料金:一般 700(560)円/学生 560(440)円/高校生・65歳以上 350(280)円 ※( )は有料入場者20名以上の団体、当館映画鑑賞券提示者、各種カード会員割引料金 ※各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。/中学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)、TOPMUSEUM PASSPORT 2025提示者は無料/8月14日(木)からの木・金曜日17:00-21:00はサマーナイトミュージアム割引(学生・高校生無料、一般・65歳以上は団体料金。学生証・年齢が確認できるものをご提示ください。)/第3水曜日は65歳以上無料 ※各種割引の併用はできません。
東京都写真美術館の総合開館30周年を記念するTOPコレクション展を開催します。
本展は、学芸員4名の共同企画によるオムニバス形式です。多角的な視点から当館コレクションを選りすぐり、写真と映像の魅力をご紹介します。
本展のタイトルは「トランスフィジカル」。フィジカルには「物質的」「身体的」という意味があります。モノとして存在する写真の「物質性」や、被写体や作家自身の「身体的表現」に着目します。さらに、「トランス」という接頭辞は、対象がそのもの自体から、別の形態や位置へ移動していくプロセスや行為をさします。30周年という節目の年に、これまでのコレクション作品のあらたな読み解き方を紹介し、イメージがつくられていくその豊かな過程へ目を向けます。デジタル化が進む現在の写真・映像の在り方に、当館の珠玉の名作が鮮やかな一石を投じます。
第1室「撮ること、描くこと」(企画:遠藤みゆき)
現代に至るまで、互いに影響を与え合い、密接な関係を持ち続けきた写真と絵画。第1室では、最初期のカラー写真や、絵画と見まがう彩色のほどこされた写真、写真家による絵画、絵画的な画面構成によって制作された写真など、複数の視点から作品を紹介し、写真と絵画の関係を考えます。
ルイ・デュコ・デュ・オーロン《アジャンの風景、木と水の流れ》1872年 エリオクロミィ
第2室「dance」(企画:山﨑香穂)
第2室では、「踊る」という行為が持つ多層的な意味に目を向けます。人々が集い、身体を動かし、声を上げ、自らの想いを表現する「踊る」という行為は、ときに社会を動かす原動力ともなるなど、時代や目的に応じて形を変えながらも様々な側面をみせてくれるでしょう。
山城知佳子《OKINAWA墓庭クラブ 》〈墓庭シリーズ〉より 2004年シングルチャンネル・ヴィデオ
第3室「COLORS」(企画:石田哲朗、遠藤みゆき、山﨑香穂、邱于瑄(チィウ ユーシュェン)
写真が発明された最初期から、色彩がないことは写真の欠点のひとつと考えられてきました。苦心の末に獲得された色彩によって、写真家たちの表現は花開きます。第3室では写真の色彩をテーマに、本展を担当する学芸員それぞれが選んだ作品をご紹介します。
安村崇《湯かき棒とゴム手袋》〈日常らしさ〉より 1999年 発色現像方式印画
オノデラユキ《No.CO-2》〈12 Speed〉より 2008年 インクジェット・プリント
第4室「虚構と現実」(企画:邱于瑄)
第4室ではコンセプチュアル・アート*の影響を受け、現実と虚構の境界を追求しながら、演劇的に構築された写真(ステージド・フォトグラフィ)、および映画と異なるほかのメディアに関連させて、様々な実験的な手法を用いたヴィデオ(映像)の作品群を考察します。
*コンセプチュアル・アート(概念芸術):1960年代に登場した、物質的な表現よりも背後の概念や着想に重きを置く芸術
森村泰昌《創造の劇場/イヴ・クラインとしての私》〈なにものかへのレクイエム〉より2010年 ゼラチン・シルバー・プリント
第5室「ヴィンテージと出会うとき」(企画:石田哲朗)
デジタル時代では「写真を焼く」という感覚や「モノとしての写真」の体験は失われつつあります。第5室では、「vintage」(ヴィンテージ)という言葉を手がかりに、年代モノ、一点モノがもつ「本物の」魅力とは何なのかを探っていきます。
アンセル・アダムス《月とハーフドーム、ヨセミテ渓谷、カリフォルニア州》1960年 ゼラチン・シルバー・プリント ©The Adams Publishing Rights Trust.
※画像はすべて東京都写真美術館蔵
主な出品作家
アンセル・アダムス/ウジェーヌ・アジェ/アンリ・カルティエ=ブレッソン/ルイ・デュコ・デュ・オーロン/ウィリアム・エグルストン/ロバート・メイプルソープ/アーウィン・オラフ/ゲルハルト・リヒター/シンディ・シャーマン/チェン・ウェイ/石原友明/出光真子/今井壽惠/岩根愛/瑛九/エキソニモ/オノデラユキ/川内倫子/小本章/小山穂太郎/鈴木のぞみ/田口和奈/多和田有希/東松照明/内藤正敏/野村佐紀子/浜田涼/細倉真弓/森村泰昌/安村崇/山沢栄子/山城知佳子/山本糾 ほか
関連イベント
- スペシャルトーク
- 2025年7月6日(日) 14:00~15:30
ゲストをお招きし、アーウィン・オラフ作品の制作背景についてお話をうかがいます。[日英逐次通訳付き]
登壇者|Shirley den Hartog(Studio Erwin Olafディレクター)、邱于瑄(当館学芸員)
会場│東京都写真美術館1Fホール
定員│190名
参加費│無料
※当日 10:00 より 1 階総合受付にて整理券を配布します - 連続対談 過去と未来をつなぐ
- 2025年7月25日(金) 18:30~20:00 登壇者│石原友明(京都市立芸術大学芸術資源研究センター 客員研究員)、遠藤みゆき(当館学芸員)
2025年9月19日(金) 18:30~20:00 登壇者│野澤豊一(富山大学人文科学系 准教授)、山﨑香穂(当館学芸員)
「コレクションの歴史から何を学び、未来に伝えるか」をテーマに、第一線で活躍する写真・映像の研究者、教育者とTOPコレクション展の共同企画を行う当館学芸員による対談シリーズです。
会場|東京都写真美術館1Fスタジオ
参加費│無料
定員|50名(事前申込制)
※申込方法等の詳細は決定次第、当館ホームページに掲載します。 - 担当学芸員によるギャラリートーク
- 2025年7月18日(金) 14:00~
会場|東京都写真美術館 3階展示室
参加費|無料(要チケット提示)
※当日有効の本展チケット(「TOPMUSEUM PASSPORT 2025」「東京・ミュージアム ぐるっとパス」を含む)または、展覧会無料対象の方は各種証明書等のご提示が必要です。 - 担当学芸員によるギャラリートーク(手話通訳付)
- 2025年8月8日(金) 14:00~
2025年9月12日(金) 14:00~
会場|東京都写真美術館 3階展示室
参加費|無料(要チケット提示)
※当日有効の本展チケット(「TOPMUSEUM PASSPORT 2025」「東京・ミュージアム ぐるっとパス」を含む)または、展覧会無料対象の方は各種証明書等のご提示が必要です。 - インクルーシブプログラム「手話を交えたQ&Aショー」
- 2025年9月7日(日) 14:00~15:00
耳の聞こえない鑑賞案内人の小笠原新也さんが、鑑賞者を代表して、展覧会の担当学芸員に、出品作品や展示意図などについて質問するプログラムです。
質問者│小笠原新也(耳の聞こえない鑑賞案内人)
会場│東京都写真美術館 2階ロビー
定員│50名(当日受付、先着順)
※参加方法等の詳細は決定次第、当館ホームページに掲載します。