2F 展示室
TOPコレクション メメント・モリと写真
死は何を照らし出すのか
2022.6.17(金)—9.25(日)
- 開催期間:2022年6月17日(金)~9月25日(日)
- 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
- 料金:一般 700(560)円/学生 560(440)円/中高生・65歳以上 350(280)円 ※( )は当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引料金。各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。各種割引の併用はできません。 ※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)、年間パスポートご提示者は無料。
- ※各種カード割引あり
( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引(トワイライトカードは除く)/
小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料
TOPコレクション展は、東京都写真美術館の約36,000点におよぶ収蔵作品のなかから、珠玉の名品を紹介する展覧会です。
本展は「メメント・モリ」をテーマに、人々がどのように死と向き合いながらも、逞しく生きてきたかを約150点の写真作品から探り、困難を伴う時代を前向きに生き抜くための想像力を刺激します。ラテン語で「死を想え」を意味する「メメント・モリ」は、人々の日常がいつも死と隣りあわせであることを示す警句でした。この言葉は、ペストが大流行した14~17世紀の中世キリスト教世界において、骸骨と人間が踊る様子を描いた「死の舞踏」と呼ばれるイメージと結びつき、絵画や音楽など芸術作品の題材として広く伝播していきます。一方で、写真もまた、死を想起させるメディアであることが数多くの写真論の中で度々言及されてきました。
本展では、ウジェーヌ・アジェ、W. ユージン・スミス、ロバート・フランク、マリオ・ジャコメッリほか19世紀から現代を代表する写真群から「メメント・モリ」と「写真」の密接な関係性を再考します。
本展では、ウジェーヌ・アジェ、W. ユージン・スミス、ロバート・フランク、マリオ・ジャコメッリほか19世紀から現代を代表する写真群から「メメント・モリ」と「写真」の密接な関係性を再考します。
出品作家
ハンス・ホルバイン(子)
マリオ・ジャコメッリ
ロバート・キャパ
澤田教一
セバスチャン・サルガド
ウォーカー・エヴァンズ
W. ユージン・スミス
リー・フリードランダ-
ロバート・フランク
牛腸茂雄
ウィリアム・エグルストン
ダイアン・アーバス
荒木経惟
ウジェーヌ・アジェ
ヨゼフ・スデック
小島一郎
東松照明
藤原新也
出品作品点数
145点(写真作品120点、版画作品25点)
展示構成
序 章|メメント・モリと「死の舞踏」
第1章|メメント・モリと写真
第2章|メメント・モリと 孤独 、そしてユーモア
第3章|メメント・モリと幸福
藤原新也 《死のとき、闇にさまようか光に満ちるか心がそれを選びとる》〈メメント・モリ〉より 1972年 発色現像方式印画 東京都写真美術館蔵 ©Shinya Fujiwara
メメント・モリ[Memento mori] とは?
ラテン語で「死を想え」という意味を持つ「メメント・モリ」は、キリスト教世界において、人々の 日常がいつも死と隣り合わせであることを示す警句でした。この言葉は、ペストが大流行した中世期に描かれた、骸骨と人間が踊る様子を描いた「死の舞踏」と呼ばれるイメージと結びつき、広く使われるようになります。その背景には、伝染病、戦争、飢餓といった困難の多い時代を生きた人々が、身近にある死への恐れとともに、人間もやがては死すべき運命であることを自覚することによって、生きることに積極的な意味を見いだそうとした様子がうかがえます。
左から、《金持》、《老人》、《行商人》
すべて、ハンス・ホルバイン(子) 『死の像』より (試し刷り) 1523-26年頃 木版 国立西洋美術館蔵
ロバート・キャパ 《フラーガ アラゴン前線、スペイン 1938 年 11 月 7 日》1938 年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵
荒木経惟 〈センチメンタルな旅〉より 1971 年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵 ©Nobuyoshi Araki
序章|メメント・モリと「死の舞踏」
メメント・モリの起源、中世に流行した背景等を紹介します。
第1章|メメント・モリと写真
写真が死を想起さ せるメディアであることは、数多くの写真論の中で度々言及されてい ます 。 第1章では フランスの哲学者ロラン・バルト、アメリカの作家スーザン・ソンタグ等の著作を ヒントに、メメント・モリと写真の関係を示す作品を展示します 。
第2章|メメント・モリと 孤独 、そしてユーモア
戦争、飢餓、伝染病といったあらがうことの出来ない大きな困難により、死に直面する人々がいる一方で、大きな困難に直前せずとも、死を身近に感じる人々がいます。本章では、人々の心に潜む孤独とメメント・モリの関係性に着目します。
第3章|メメント・モリと幸福
日々の生活の中で、目に見える世界にとらわれがちな私たちが 、実は「死」というゴール を見つめることで、「生」を捉えなおし、心の安らぎを得ることができるのではないでしょうか 。 最終章では 「死を想う」 契機と なりうる写真作品との出会いから 、作品がどのように見る者の心に訴えるのかを考察します。
ヨゼフ・スデック 《身廊と下側の眺め、聖ヴィート大聖堂の新しい部分の南側》 〈聖ヴィトゥス〉より 1928年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵
ヨゼフ・スデック 《身廊と下側の眺め、聖ヴィート大聖堂の新しい部分の南側》 〈聖ヴィトゥス〉より 1928年 ゼラチン・シルバー・プリント 東京都写真美術館蔵
東京都写真美術館ニュース「eyes vol. 109」巻頭特集にて、本展の特別対談を掲載しました。
「メメント・モリ × カレー沢薫 × 浜崎加織」PDF版はこちら(外部リンク)
※事業は諸般の事情により変更することがございます。 あらかじめご了承ください。
関連イベント
- メメント・モリと落語
- 2022年8月12日(金) 18:30~20:00 終了致しました
人間の生き様や、運命の悲喜交々をユーモアと風刺を交えて描かれる日本の伝統芸能「落語」を通じて、展覧会のテーマ「メメント・モリ」の世界を深めます。古典落語の魅力を体現する名手として注目を集める、九代目春風亭柳枝さんをお迎えして開催する落語会です。出演者|春風亭柳枝(「死神」ほか一席)、柳亭左ん坊(前座)会場|東京都真美術館 1階ホール定員|160名(事前申込制、先着順)参加費|無料 ただし、参加条件として「本展のチケット(招待券・招待状含む)」または、展覧会無料対象の方は各種証明のご提示が必要です。(無料対象)・「年間パスポート2022」をお持ちの方・「東京・ミュージアム ぐるっとパス」をお持ち方・小学生以下・東京都内の中学生・障害者手帳等をお持ちの方申込期間|7⽉22⽇(金)12:00から8⽉5⽇(金)12:00まで申込方法|期間中にページの 申込専用フォーム から申し込みください。※申込開始後、定員に達し次第、受付を終了します。※申込・参加についてのご注意・お一人様につき1名ずつお申し込みください。・電話・郵便・FAX等でのお申込みはできません。・キャンセル券はございません。・ご来館の際は新型コロナウイルス感染症の拡大防止への取組にご理解とご協力をお願いいたします。・本イベントは諸般の事情により変更することがございます。 あらかじめご了承ください。
春風亭柳枝(しゅんぷうてい・りゅうし)
1981年生まれ 東京都目黒区出身
2004年 明治学院大学文学部芸術学科卒業
2006年 春風亭正朝に入門
2021年3月 真打昇進、九代目・春風亭柳枝を襲名
公式ホームページはこちら
撮影:橘蓮二 - 担当学芸員によるロビー・トーク
- 2022年7月22日(金) 14:00~(15分程度) 終了致しました
担当学芸員による展示解説を行います。
会場|2階ロビー
定員|30名(当日先着順、参加無料)
※開始時刻になりましたら、2階ロビーへお集まりください。 - 担当学芸員によるギャラリー・トーク
- 2022年9月9日(金) 10:30~(40分程度) 終了致しました
場所|東京都写真美術館 2階展示室
定員|15名(先着順)
会場|2階展示室内
参加費|無料(要チケット提示)
※10:00より2階展示室前で申込受付開始。定員達し次第、受付を終了します。
※当日有効の「メメント・モリと写真」展チケットまたは展覧会無料対象の方は各種証明書等のご提示が必要です。
※本イベントは無線ガイドシステムを使用します。
※感染状況により中止となる場合がございます。あらかじめご了承ください。 - 「メメント・モリと写真」展 コラボレーションメニュー
- 東京都写真美術館1階のカフェ「フロムトップ」では、9月25日(日)まで開催中の「TOPコレクション メメント・モリと写真」展をイメージしたコラボレーションメニューを販売いたします。
販売期間|2022年8月2日(火)から9月25日(日)まで
左[メメント・モリ 黒いカレー]黒ごまのカレー(サラダ、ドリンク付き) 1,500円(税込)
右[メメント・モリ デザートプレート]りんごのコンポート、水ゼリー、桃のスープ 1,200円(税込)
お問い合せ|フロムトップ
休店日|毎週月曜日ほか(営業日、営業時間は美術館に準じます)
営業時間|10:00-18:00(木・金曜日は20:00まで)
Instagram|@cafefromtop
展覧会図録
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TOPコレクション メメント・モリと写真
【完売いたしました】
主な作品図版、作品リストを収録。藤原新也(出品作家)によるエッセイ、浜崎加織(東京都写真美術館学芸員)による論考など。 体裁:215×155mm、187ページ 発行元:東京都写真美術館 価格:2,770円(税込)