本日は開館しております(10:00-18:00)

プロイセン東アジア遠征団写真班《(長崎パノラマ)》(部分)  文久元(1861)年 鶏卵紙   東京都写真美術館
2F 展示室

写真発祥地の原風景 長崎

2018.3.65.6

  • 開催期間:2018年3月6日5月6日
  • 休館日:毎週月曜日(ただし、4月30日[月・振休]、5月1日[火]は開館)
  • 料金:一般 700(560)円/学生 600(480)円/中高生・65歳以上 500(400)円 ※ ( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引、当館年間パスポートご提示者(ご利用案内をご参照ください)/ 小学生以下 、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料

2018年4月9日(月)に一部展示替えを行いました。

日本における写真文化のセンター的役割を担うという美術館の基本的方針に基づき、東京都写真美術館では、毎春、初期写真に焦点を当てる展示を開催しています。2018年は「写真発祥地の原風景 長崎」を開催します。 日本の写真発祥地では、開国と同時に写真制作がはじまり、近代化の歴史は写真によって記録されました。写真の普及が早ければ早いほど、その土地の写真は多くなります。
海外に開かれた港町として栄えた“異域”長崎では、ピエール・ロシエ(Pierre Rossier)やフェリーチェ・ベアト(Felice Beato)などの外国人写真師が訪れて写真を制作しました。一方、上野彦馬(うえのひこま)、内田九一(うちだくいち)をはじめ、薛信二郎(せつしんじろう)、清河武安(きよかわたけやす)、為政虎三(ためまさとらぞう)などの日本人写真師も誕生し、日本の写真文化が開花する核となりました。

本展では、東京都写真美術館が収蔵する上野彦馬『長嵜市郷之撮影』、内田九一『西国巡幸写真帖』および同撮影で日下部金兵衛(くさかべきんべい)が頒布した《(長崎パノラマ)》、フェリーチェ・ベアト『幕末アルバム』や『ボードイン・アルバム』(長崎大学附属図書館蔵)、伝・堀江鍬二郎(ほりえくわじろう)《上野彦馬像》(日本大学藝術学部蔵)、『内田九一写真帖』(長崎歴史文化博物館蔵)等の写真作品のほか、川原慶賀(かわはらけいが)《長崎出島之図》(長崎大学附属図書館 武藤文庫)、写真を原図に用いた青貝細工の《長崎風物図箱》や、長崎版画、稀覯本の展示も予定しています。
長崎学に造詣の深い姫野順一博士(長崎外国語大学特任教授・長崎大学名誉教授)監修のもと、幕末・明治の長崎を東京都写真美術館の展示室に再構築します。
本展は、「明治150年」を記念するとともに長崎大学附属図書館の幕末・明治期日本の写真データベース公開20周年を記念し、同大学と共同で開催いたします。
なお、本展は長崎歴史文化博物館に巡回(5月22日~6月24日)を予定しています。また「写真発祥地の原風景」はシリーズとして展開し、北海道編、東京編の開催を予定しています。



ピエール・ロシエ 《(雨の日の日本人たち〔出島〕)》 万延元(1860)年 鶏卵紙  長崎大学附属図書館(中央図書館)


A. F. ボードイン《ボードイン兄弟とその友人》 1865年頃  鶏卵紙 長崎大学附属図書館(中央図書館)


版元無記《紅毛人遠見之図》 江戸後期  多色刷木版   長崎歴史文化博物館
※展示期間は3月6日(火)~4月8日(日)です


フェリーチェ・ベアト《眼鏡橋、長崎》1865年頃 鶏卵紙 東京都写真美術館


上野彦馬《高島炭坑・北渓井坑》『上野彦馬手控えアルバム』より 明治初期 鶏卵紙 日本大学藝術学部


2階ロビーでは、今昔の長崎パノラマと記念撮影ができます

《長崎のパノラマ》
右)フェリーチェ・ベアト 慶応2 (1866)年 鶏卵紙 長崎大学附属図書館(中央図書館)蔵 オリジナル写真のサイズは213×844mm
左)五十川 商司 2018年2月8日撮影 © Isogawa Shoji


本展をご覧になったお客様から、写真に写っている屋根瓦について、ご質問をいただきましたこちら

WEBマガジンCINRA.NETに本展が紹介されました
写真を見て歴史を知る。初期写真から浮かび上がる事実を、三井学芸員がナビ(こちら


□主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/国立大学法人長崎大学/読売新聞社/美術館連絡協議会
□協賛:ライオン/大日本印刷/損保ジャパン日本興亜/日本テレビ放送網/東京都写真美術館支援会員
□協力:長崎県/長崎県観光連盟/長崎市/長崎市歴史文化博物館
□後援:オランダ大使館

関連イベント

長崎をめぐる初期写真シンポジウム―オリジナルとデジタルアーカイブ
2018年4月7日(土) 14:30~17:30(14:00開場)  終了致しました
幕末・明治の初期写真における長崎、長崎における初期写真、また、デジタルアーカイブの可能性を踏まえてこれらの活用について5名の研究者より発表いただくと共に、将来にわたる初期写真の活用をオリジナルとデジタルアーカイブの両面から討議します。
会場:東京都写真美術館 1階ホール 
定員:190名
※当日10時より1階ホール受付にて整理券を配布します。番号順入場、自由席。
パネリストによる発表
発表①:高橋則英(日本大学藝術学部写真学科教授)
演題:初期写真技術における長崎の位置
発表②:天野圭悟(高知県立美術館学芸員)
演題:上野彦馬(上野撮影局)のスタジオと台紙の変遷について
発表③:姫野順一(長崎外国語大学外国語学部現代英語学科特任教授・長崎大学名誉教授)
演題:長崎における初期写真の意義:自・他の発見
発表④:下田研一(長崎大学学術情報部学術情報管理課学術情報管理班長)
演題:長崎大学の幕末・明治期日本古写真データベース-その変遷と派生および統合化-
発表⑤:北本朝展(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター センター長/国立情報学研究所コンテンツ科学研究系 准教授)
演題:記憶を重ねる新しい写真術「メモリーグラフ」による古写真の共創型研究
パネルディスカッション
パネリストの発表を踏まえ、初期写真の活用についてオリジナルとデジタルの両面から討議する。
司会:三井圭司(東京都写真美術館学芸員)
古典技法ワークショップ:コロディオン湿板制作デモンストレーション
2018年4月14日(土) 14:00~16:30(13:30開場)  終了致しました
コロディオン湿板の制作プロセスを見学し、当時の写真技術を知る絶好の機会です。終了後に、4月28日(土)開催のコロディオン湿板制作ワークショップ(有料・デモ参加者対象)の申し込みも受付けます。
講師:田村 政実(田村写真代表)
会場:東京都写真美術館 1階スタジオ 
定員:50名、入場無料、先着順。 開始時間までに直接1階スタジオへお越しください。
(作業の都合上、開始時間を超えた場合は入場をお断りする場合があります)
詳細はこちらをご覧ください。
担当学芸員によるギャラリートーク
2018年4月27日(金) 14:00~  終了致しました
2018年4月29日(日・祝) 14:00~  終了致しました
2018年5月3日(木・祝) 14:00~  終了致しました
2018年5月5日(土・祝) 14:00~  終了致しました
2018年3月9日(金) 14:00~  終了致しました
2018年3月23日(金) 14:00~ 終了致しました
2018月4月13日(金) 14:00~ 終了致しました
会期中の第2・第4金曜日、4月29日、5月3日、5月5日の14:00より担当学芸員による展示解説を行います。
展覧会チケット(当日印)をご持参のうえ、2階展示室入口にお集まりください。
Gallery Talk in English
2018年3月16日(金) 14:00~  終了致しました
2018年4月20日(金) 18:00~  終了致しました
アリス・ゴーデンカー氏による英語解説を行います。展覧会チケット(当日印)をご持参のうえ、2階展示室入口にお集まりください。


 ※事業はやむを得ない事情で変更することがございます。あらかじめご了承ください。

展覧会図録

写真発祥地の原風景 長崎
執筆:河野茂(長崎大学長)、姫野順一(長崎外国語大学特任教授/長崎大学名誉教授)、天野圭悟(写真研究家)、三井圭司(当館学芸員) 発行:東京都写真美術館、A4判、全196頁、和英併記、2,000円(税込)

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