本日は開館しております(10:00-18:00)

© 2012「父をめぐる旅」製作委員会

1960~70年代カウンターカルチャー沸騰の時代、
自由で革新的な問題作を生み、
画壇に新風を吹き込んだ異端児・中村正義の足跡を娘が辿る
 

父をめぐる旅

異才の日本画家・中村正義の生涯

1F ホール

2013.1.51.27

  • 公式ホームページ → http://www.cinemanest.com/masayoshi/home.html

  • お問い合せ:太秦 03-5367-6073
  • 上映期間:2013年1月5日(土)~1月27日(日)
  • 休映日:1月7日(月)、1月15日(火)、1月21日(月)
  • 上映時間:10:45/13:30/16:00/19:00
  • 料 金:一般:1,800円、学生:1,500円、シニア・中学生以下・障害者手帳をお持ちの方:1,000円

■各種割引:以下の方は当日券一般料金が割引になります。
○東京都写真美術館友の会会員(会員証提示) 1,500円
○三越、アトレクラブビューSuicaカード会員(会員証提示) 1,500円
○当館の展覧会、映画の半券持参者(半券1枚につき1回の割引) 1,500円
○夫婦50割引(どちらかが50歳以上) 2人で2,000円


父をめぐる旅

中村正義は凄い、本物の創作者だ!-今村昌平(映画監督)
「僕はね、あたり前の事を、あたり前に言ってるだけだよ」
信念を貫き、真の芸術を求め続けた反骨の画家の生涯と、常識を超越した自由で革新的な作品群
 

戦後、「日本画滅亡論」まで登場した日本画壇において、新しい時代の新しい日本画の創造を目指して活躍した中村正義。日本画壇の重鎮・中村岳陵の画塾に入門し、本格的に画家としての道を歩み始めた正義は22歳で日展に初入選。たちまち頭角をあらわし、早世の天才日本画家・速水御舟の再来とも言われ将来を嘱望された。最年少の26歳で特選を受賞、36歳という異例の若さで日展審査員に推挙され、若くして日展の頂点に登り詰めながらも、古い体質の画壇、権威主義的体質に異を唱え、日展を脱退。
それ以降は画風を一転させ、絵具に蛍光塗料を混ぜて描いた《男と女》や《舞妓》のシリーズ、現代社会に生きる人間の《顔》に現われた心の闇を描いた作品群、ポップアートかと見紛う肖像画など、日本画の既成概念を遥かに超越した多様多彩な作品を次々と発表していく。また、謎の浮世絵師・写楽の実像を画家の立場から探求することにも精力的に取り組んだ。そんな正義の生涯は病との闘いでもあった。二十代で結核を患い、後年癌を発症。52歳という若さで逝去。旧勢力からの圧力や妨害を受けながらも、自らの信念を曲げず、死と向き合いながら真の創造を求め続けて生涯を終えた。
 

写楽に、ピカソに、ゴーギャンに、ウォーホールさえ、ぶっ飛ばした天才画家!
苛烈に生きた画家は、私たちに何を問いかけるのかー

本作は、父を敬愛し、「中村正義の美術館」を守り続けてきた正義の娘・倫子(のりこ)さんが、自分の未だ知らない本当の父の姿を探して旅をするドキュメンタリー映画です。苛烈に生きた画家が何を求め、何を恐れ、何を愛したのか、人間・中村正義とその生きた時代を描きだします。共同監督を務めるのは、今村昌平とともに今村プロダクションを結成し、『楢山節考』の監督補、『復讐するは我にあり』をプロデュースした武重邦夫と、テレビ番組やビデオ作品のドキュメントの演出・プロデュースを手掛け、本作が監督デビュー作品となる近藤正典。
確固とした信念を持ち、大きな壁に正面から挑んだ中村正義という天才画家の姿は、事なかれ主義や出来合いレースの蔓延する今の日本に何を問いかけるのだろうか。

【中村正義略歴】

1924年 愛知県豊橋市に生まれる。
1940年 病身にため豊橋市立商業学校を中退。
1946年 中村岳陵に師事、日展初入選。
1950年 第6回日展に「谿泉」(豊橋市美術博物館蔵)を出品、特選となる。
1952年 「女人」で特選を受賞するが肺結核のため1957年まで制作活動を中断する。
1960年 第3回新日展の審査員となる。
1961年 川崎市細山に転居。蒼野社をやめ日展を脱退する
1963年 個展「男と女」(上野松坂屋・名古屋丸栄)を開催。従来の画風を脱した野心作30点を発表。
1964年 映画「怪談」(小林正樹監督)のため「源平海戦絵巻」5部作(国立近代美術館蔵)を制作。
1966年 個展「顔の自伝」(日本画廊)開催。
1967年 直腸癌の手術を受ける。
1969年 個展「太陽と月のシリーズ」(銀座三越)開催。
1970年 写楽研究の成果「写楽」(ノーベル書房)を出版。東京造形大学の日本画講師となる。
1974年 人人会を結成。第1回 人人展(日本橋三越)開催。
1975年 東京展市民会議を創設。事務局長として奔走。第一回東京展(都美術館)開催。
1977年 4月16日肺癌のため死去。 享年52才。
1980年 NHK日曜美術館「私と中村正義」放映。『中村正義画集』(講談社)刊行。
「異端の天才画家 中村正義」展(豊橋市美術博物館)開催 。
1983年 「反骨・奔走の偉材 中村正義」展(神奈川県立近代美術館)開催。
1988年 川崎市の自宅を美術館としてオープン。
1993年 NHK日曜美術館「現代日本画の出発 中村正義」放映。
1997年 「没後20年-中村正義」展(豊橋市美術博物館、川崎市市民ミュージアム、新潟美術館)。
1998年 中村正義の美術館10周年の記念として『創造は醜なり』(中村正義 著/美術出版社)刊行。
1999年 NHK新日曜美術館「拝啓中村正義さま」放映。
2005年 TV東京 美の巨人たち「100枚の自画像」放映。

【中村正義の作品】

父をめぐる旅 父をめぐる旅

左)人間の心の闇を描いた《顔》シリーズ
右)映画『怪談』(小林正樹監督)のために制作した大作《源平海戦絵巻》

父をめぐる旅 父をめぐる旅

左)生涯のテーマのように描きつづけた《舞妓》
右)雑誌「20世紀」の表紙絵となった三島由紀夫の肖像

■出演者
田島征三(絵本作家)、黒柳赫(日本画家)、高畑郁子(日本画家)、
水野朝(日本画家)、大森運夫(日本画家)、永井繁男(日本画家)、
武田昭(日本画家)、朝倉摂(舞台美術家)、小川益王(小川益生 映画監督)

■STAFF
プロデューサー・共同監督:武重邦夫、近藤正典
撮影監督:松根広隆/編集:金子数夫/照明:谷本幸治
録音:若林大介/音楽:丸山朋文/ナレーター:岩崎聡子
協力美術館:中村正義の美術館 山種美術館 名古屋市美術館 豊橋市美術博物館 東京国立近代美術館
製作:「父をめぐる旅」製作委員会、シネマネストJAPAN
配給・宣伝:太秦/助成:文化芸術振興費補助金
【2012/日本/カラー/HD/102分/ドキュメンタリー】© 2012「父をめぐる旅」製作委員会


関連イベント

初日舞台挨拶開催!
2013年1月5日(土) 10:45の回上映後  終了致しました
2013年1月5日(土) 13:30の回上映前  終了致しました
登壇者(予定):武重邦夫監督、近藤正典監督
※各回をご鑑賞のお客様が対象となります。