本日は開館しております(10:00-18:00)

photos © Matthias Fanck

新しき土

1F ホール

2012.4.75.6

  • 公式ホームページ → http://www.hara-eiga.com/

  • お問い合せ:T&Kテレフィルム 03-3486-6881
  • 上映期間:2012年4月7日(土)~5月6日(日)
  • 休映日: 4月9日(月)、 4月16日(月)、4月23日(月)

■上映時間 10:20/12:40/15:00
※4月27日(金)のみ「日英版」特別上映 10:20/12:45/15:10
■料金:一般1,500円/シニア・学生1,300円/中学生以下・障害者手帳をお持ちの方1,000円
※4月27日(金)「日英版」特別上映のみ料金:一律1,500円 ※各種割引はございません。

※「日英版」特別上映は前売り券が定員に達した場合、当日券の発券は行いません。
※上映期間延長のため、上映期間が~26日(木)と記載された前売券でも、5月6日(日)までお使いになれます。
(※但し、27日(金)の特別上映を除きます。)


○各回入れ替え制  ○全席自由席 ○未就学児の入場不可
○ご入場は、当日10時からホール受付カウンターにて前売鑑賞券の提示または当日券購入時に押印する、各回の入場整理番号順となります。




photos © Matthias Fanck


原節子 十六歳、伝説となった主演映画『新しき土』
■ストーリー
欧州留学を終え、ドイツ人女性ジャーナリストと共に帰国した青年輝雄(小杉勇)は、一途に待ちわびていた許婚の光子(原節子)と、その父巌(早川雪洲)に温かく迎えられる。しかし西洋の文化に馴染んだ輝雄は、許婚という日本的な慣習に反発を覚えて悩む。輝雄の変化に気付いて絶望した光子は、花嫁衣装を胸に抱き、噴煙を上げる険しい山に一人で登り始める・・・

日本初の国際合作映画。世界中で封切られた超大作、75年ぶりの公開!
日本初の国際合作映画として製作された本作は、山岳映画で知られるドイツの巨匠アーノルド・ファンクと、日本の伊丹万作(伊丹十三の父)による共同監督作で、1937年(昭和12年)に日本国内はもとより、ヨーロッパを中心に世界各国で公開されて大ヒットを記録。ドイツ語のタイトルは『Die Tochter des Samurai』(『侍の娘』)。

 

撮影当時16歳、息をのむ美しさ。伝説はここから始まった
デビューして間もない原節子が主役に抜擢され、銀幕の大スターの輝かしい出世作となった。
洋装、和装、セーラー服、剣士姿、さらには水着姿を披露する貴重なシーンもあり、若き原節子の瑞々しい魅力が全編にあふれ、宝石箱を開くような煌めきと驚きに満ちている。
日本を代表する国際スター早川雪洲がヒロインの父を、内田吐夢監督作品で強烈なヒーロー像を演じ人気のあった小杉勇が許婚の青年を演じるほか、英百合子、中村吉治、高木永二、市川春代など錚々たる顔ぶれが脇を固めている。

日本全国での撮影。クライマックス・シーンは、北アルプス上高地・焼岳にて

富士山、阿蘇山、浅間山、上高地、焼岳、別府、瀬戸内海各地、宮島、松島、東京、鎌倉、大阪、京都、瑠璃渓、奈良、神戸、水戸、福井、新潟、信州姨捨、潮来、琵琶湖など、驚くほど様々な地域でロケーション撮影が長期に亘って敢行され、その多くに原節子が同行した。
特にクライマックス・シーンは、北アルプスの上高地から焼岳の急峻で危険な火山山域で行われ、類を見ない緊迫感と迫力あるシーンとなった。

若き円谷英二による、日本初の本格的な特撮

日本初となる本格的なスクリーン・プロセス撮影(特殊撮影技術の一つ)が、若き日の円谷英二の手によって行われ、日本の映画技術に新たな扉を開いた作品でもある。当時は未だ特撮という言葉は使われていなかったため、円谷英二の名前は撮影協力としてクレジットされた。

監督アーノルド・ファンクと山岳映画

アーノルド・ファンクは、「聖山」「死の銀嶺」「モンブランの嵐」などレニ・リーフェンシュタールが出演した作品で知られるドイツのドキュメンタリー・映画監督で、山岳映画というジャンルを開拓したパイオニアで、第一人者でもあった。
「新しき土」では右腕である名カメラマン、リヒャルト・アングストらを撮影に起用。焼岳を舞台にしたパートでは危険な岩場での撮影が敢行され、類を見ない緊迫感と迫力あるシーンとなっている。
蔵王の樹氷をフィルム映像で海外に紹介し、国際的に有名にした人物としても知られており、そのフィルムは、映画「新しき土」製作のための日本滞在中に撮影されたものである。

【キャスト】

原節子
小杉勇
早川雪洲
ルート・エヴェラー、英百合子、中村吉治、高木永二、市川春代、常盤操子、他

【クルー】

監督・脚本:アーノルド・ファンク、伊丹万作
撮影:リヒャルト・アングスト、上田勇、ワルター・リムル
撮影協力:円谷英二
美術・装置:吉田謙吉
衣装:松坂屋
音楽:山田耕筰
作詞:北原白秋、西條八十
製作:Dr. Arnold Fanck-Film、J.O.スタジオ、東和商事G.K.

1937年/日独合作/白黒/モノラル/スタンダード/106分
提供:Atlas International Film GmbH/配給:T&Kテレフィルム



4月27日(金)は「日英版」特別上映
  
協力:東京国立近代美術館フィルムセンター
「日英版」特別上映のお問合せ :T&Kテレフィルム 03-3486-6881

「新しき土」は、脚本は同一ながら、同タイトルで《日独版》と《日英版》の2本の異なるヴァージョンのフィルムが作られ、連続して公開された。《日独版》はファンク監督が、《日英版》は伊丹監督がそれぞれ責任編集にあたった。公開後は次第に日独版がスタンダードな作品とみなされるようになり、今回の上映も《日独版》を用いているが、期間中の4月27日、《日英版》を特別上映する。

(114分)東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品

■上映時間 10:20/12:45/15:10
■料金:当日一律 1,500円
※前売り券が定員に達した場合は当日券の発券は行いません。
※各種割引はございません。


○各回入れ替え制  ○全席自由席 ○未就学児の入場不可
○ご入場は、当日10時からホール受付カウンターにて前売鑑賞券の提示または当日券購入時に押印する、各回の入場整理番号順となります。



★小津安二郎、東郷青児ら、昭和を代表する映画人・画家たちが寄せ書きした、
小杉勇遺愛品の屏風を上映期間中に初公開いたします。


所蔵・提供:小杉隆一郎


◇映画で原節子と共演した小杉勇(故人)遺愛品の屏風が見つかり、当館での上映期間中に、同ホールロビーにて初公開いたします。
◇屏風は二曲一隻で、小杉勇と親交のあった昭和を代表する著名な映画人、画家らの手で、大小20もの絵や書がサインを添えて描かれています。
映画人は小津安二郎(映画監督)、田坂具隆(映画監督)、アーノルド・ファンク(映画「新し き土」監督)らが、また、東郷青児、鈴木信太郎、海老原喜之助と思われる画家たちが、サイン を添えて絵を描いています。
◇屏風は小杉家で保管されていたもので、その存在は今まで公表されたことはなく、今回が初めての公開となります。書いた作者が判らない箇所も多いため、今回の公開によって新たな情報が寄せられ、当時の芸術家たちの交流に新たな光が当たることが期待されます。
詳細解説ページへ



★最後の看板絵師・久保板観さんが映画看板を制作★
◇板観さんが制作中の看板は、映画公開初日から当館ホールロビーで展示されるほか、ポスターの原画としても使用されています。

~最後の看板絵師 久保 板観(くぼ ばんかん)~
1941年、東京都青梅市生まれ。16歳から映画看板絵師として活躍。今は全て廃館となったが、青梅市3映画館の映画看板を全て描いていた。
映画館の閉館が相次いだ後は普通の看板業を営むが、コンピューターの時代の到来と共に仕事は激減。
1994年、青梅市のイベントで約20年ぶりに映画看板を描いたのがきっかけとなり、町おこしとして復刻版映画看板の制作依頼を受け、市内商店街の様々な場所に展示。青梅は映画看板の街として話題になり、旧青梅街道は「青梅シネマチックロード」と称されて観光名所となった。
現役で活躍する映画看板絵師は全国でも希少で、「最後の看板絵師」と呼ばれる。