本日は開館しております(10:00-18:00)
 
左)下岡蓮杖「豆腐売り」 明治初期
右)エリファレット・ブラウン・ジュニア「田中光儀像」 安政元(1854)年
3F 展示室

キュレーターズ・ チョイス展

2006.6.247.17月・祝

  • 開催期間:2006年6月24日7月17日月・祝
  • 休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
  • 料金:一般 500(400)円/学生 400(320)円/中高生・65歳以上 250(200)円
  • ※各種カード割引あり

( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引(トワイライトカードは除く)/
小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料




—まず、展覧会の概要を教えて下さい。

今回の展覧会は東京都写真美術館の学芸員を中心とする専門スタッフが、当館に収蔵されている2万3千点以上の写真、映像作品、図書資料などの中から個人的な視点でチョイスした作品を展示するとういう試みです。
構成的には、“ミュージアム・チョイス”として美術館が選んだ1点を、“ディレクターズ・チョイス”として福原館長が選んだ1点を展示します。また、“キュレーターズ・チョイス”では学芸専門スタッフ14名が選んだ5~10点の作品を、“ライブラリアンズ・チョイス”では司書3名が選んだ図書資料を図書室に展示します。つまり、「キュレーターズ・チョイス展」という1つの展覧会のなかに20種類の展示があるわけです。
また、保存科学研究員は、ふだん作品の「保存」と「展示」の両立を考え、展示担当者を専門的にサポートします。その立場から選んだ作品がどんなものになるのか、お客様に楽しんでいただきたいと思います。

—作品の選び方に条件はあるのですか?
作品の選び方は全く自由です。例えば、写真というものを“ああ、面白いな”と思わせてくれた作品であったり、これまでに作った展覧会のなかで非常に印象に残ったものや、収集する過程で楽しかったもの、反対に悲しい思い出の1点でもいい。いろいろな基準や価値観で個人的な記憶にまつわるものをチョイスしていきたいなと思っているんです。それによって、学芸員を中心とするスタッフそれぞれが、日ごろ研究や調査をするなかでどんな作品に興味を持っているのか、どんな作品に影響を受けたのか、どんな好みなのかということが浮かび上がってきて非常に面白いんじゃないかと思います。
各スタッフのプロフィールと、なぜその写真を選んだかというコメントも展示します。フロアレクチャーでは、選択した作品についての思いを熱く語ってもらおうと思っています。

—本展の目的は?
美術館というのは、作品自体の魅力はもちろんのことですが、その魅力を伝えるスタッフの人力によっても成り立っていると思うんです。そのひとりひとりの「顔」を見せることで、東京都写真美術館が、どういう人たちによって運営されているのかということを皆さんにお伝えできればと思います。

—これまでの展覧会と違う点は?
通常ですと、作家性や表現などテーマが決められ、そこで学芸員はパーソナルな部分からより普遍的なものへとベクトルを向けていくと思うんです。しかし、今回はあくまでもパーソナルなところから始まってパーソナルに戻る展覧会。自分自身を語るためにどういう作品をチョイスするかが見どころです。
美術館の魅力というのは、専門スタッフと作品との生々しいつながりが数多く積み重なっているところから発しているのではないでしょうか。ご来館いただく皆様には、本展をきっかけに気になるキュレーターを見つけていただければこれからの展覧会の楽しみ方も広がることでしょう。

 
左)林平吉「静物」 1925年
右)ラスロ・モホイ=ナジ「フォトグラム」 1922年頃



■主催 : 財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館