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3F 展示室

コラージュとフォトモンタージュ展

2006.11.3金・祝12.17

  • 開催期間:2006年11月3日金・祝12月17日
  • 休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
  • 料金:一般 500(400)円/学生 400(320)円/中高生・65歳以上 250(200)円
  • ※各種カード割引あり

( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引(トワイライトカードは除く)/
小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料

お気に入り広告の写真を切り抜いて画用紙に貼り合わせる。そんな遊びをした経験がありませんか。これはコラージュという美術の技法の一つなのです。17世紀ごろから紙や布、羽や動物の皮などさまざまなものを貼り合わせて作品にするということは行われていましたが、写真が発明されてからは、コラージュ作品の多くに写真が使われるようになります。写真を組み合わせることで難しい描写を可能にしたり、本来なら同じ画面にあり得ないものを並べることにより、新しいメッセージを生み出したり、超現実的な世界を表現したりすることができます。またコラージュは写真家だけではなく、他の美術の分野の作家にも広く取り入れられました。本展は写真がコラージュにどの様に利用されてきたのかをたどりながら、その意味や表現の魅力を捉え直す展覧会です。
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展覧会の構成

《PART.1》
■写真がコラージュされ始めた時期
写真の黎明期にそのころの写真では技術的に不可能な事を表現するために、合成(コラージュ、フォト・モンタージュ)することにより写真家の意図に沿った、表現として完成度の高い作品をめざしました。

《PART.2》
■20 世紀初頭の前衛美術運動との関係
ダダ、シュルレアリスム、構成主義といった20世紀初頭の前衛美術は様々な美術的な技法を取り入れていますが、特に写真のコラージュ、フォト・モンタージュを使った作品を多く見ることができます。写真を使う事により、作品によりリアルな社会へのメッセージや風刺、超現実性といった要素を作品の中に取り入れていきました。

《PART.3》
■現代美術との関係
現代のコラージュ作品は写真家だけではなく、画家や版画家といった他のメディアの美術家にも使われています。描くと言う行為よりの既存のイメージである写真を使ったり、貼り付けたりする行為によって作品を再構成し、新たな作品を創り出していきました。   

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《PART.1》
 

【左】小島柳蛙(りゅうあ)と家族像 小島 柳蛙 1873年頃
この写真の女性は両方とも柳蛙の息子の嫁の「とを」。別々の孫を抱いた嫁の姿をまるで別人のように並べています。
【右】海景 ギュスターヴ・ル・グレイ 1856~1859年
このころの写真の技術では、波や雲の細かい描写を1回の撮影で表現することは不可能でした。これは空と海が別々に撮影され合成されています。

 


《PART.2》
 

【左】レール上の殺人(隣人を愛せよ)モホイ=ナジ 1925年
バウハウスでは、バラバラにした写真を、本来の目的とは異なる使い方をして、イメージが潜在的に含む要素を表に出そうとしました。
【右】生命 平井 輝七 1938年
この時期関東の写真界ではまだシュルレアリスムの影響は浸透していなかったのですが、関西のアマチュア写真家達は 1937年に巡回された「海外超現実主義作品展」に感化され、「アヴァンギャルド造影集団」を結成します。平井のこの作品はダリやマン・レイといったシュルレアリストの影響が色濃く見受けられます。

 



《PART.3》


お茶と同情 嶋田 美子 1995年
元従軍慰安婦の顔の上に、戦時中に結成された大日本婦人会の写真が重なっています。同じ時代に生きた2つの別の女性たちのイメージを重ねることで、今なお解決されていない問題の根深さを私たちに問いかけます。

関連イベント

担当学芸員による展示解説
2006年11月10日(金) 14:00~  終了致しました
2006年11月24日(金) 14:00~  終了致しました
2006年12月8日(金) 14:00~  終了致しました
展示解説を行います。
カフェトーク(有料・事前申込制)
2006年12月2日(土) 17:00~19:30 <講師>柏木 博(デザイン評論家)  終了致しました
2006年12月9日(土) 17:00~19:30 <講師>横山 勝彦(練馬区立美術館学芸員)  終了致しました
■場所:東京都写真美術館2階カフェ・シャンブル クレール
■定員:各日35名 
■参加費:1,500円(展覧会チケット/ドリンク付き)

展覧会図録

コラージュとフォトモンタージュ展

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■主催:財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館/読売新聞東京本社/美術館連絡協議会
■協賛:花王株式会社