本日休館日

「Dデー作戦」でオマハ・ビーチに上陸する米軍、前景の兵士は 第16連隊第2大隊所属の
ヒューストン・ S. ライリーとみられる、ノルマンディー、フランス、 1944年6月6日
B1F 展示室

ロバート・キャパ 戦争

2025.3.155.11

  • 開催期間:2025年3月15日5月11日
  • 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)
  • 料金:一般 1200(960)円/学生・65歳以上1000(800)円/高校生800(640)円 ※( )は有料入場者20名以上の団体、当館映画鑑賞券提示者、TOPMUSEUM PASSPORT 2024提示者、各種カード会員割引料金 ※各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。/小学生以下、中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料/第3水曜日は65歳以上無料 ※各種割引の併用はできません。

いまあらためてキャパの写真証言を見直すことの意義

20世紀が生んだ偉大な写真家のひとり、ロバート・キャパ。「カメラの詩人」と言われ、またすぐれた「時代の証言者」でもあります。その写真の背景には苦闘するヒューマニストの眼があります。戦争の苦しみをとらえるとき、そこにキャパの人間としてのやさしさ,ユーモアがあります。キャパは人間を取り捲く状況を少しでもよいものにしようというつよい信念と情熱をもって状況に身を投じましたが、それだけでなく写真のもつ衝撃力を見分ける確かな眼を持ち合わせていました。  
1930年代ヨーロッパの政治的混乱、スペイン内戦でドイツ・イタリアのファシスト政権に支援されたフランコ将軍の反乱軍によって次第に圧倒されて敗北する共和国政府軍、日本軍による中国の漢口爆撃、第二次世界大戦で連合軍の対ドイツ反攻作戦の始まる北アフリカから、イタリア戦線、ノルマンディー上陸作戦などの戦闘現場に立会い、命がけの取材写真は眼に見える確かな記録として報道されました。それらの多くは時空を越えて、後世の人びとにも訴えかけるつよいメッセージとなっています。  
本展は、東京富士美術館が所蔵する約1000点のコレクション・プリントから、“戦争”に焦点を当てた作品約140点を厳選して展示します。 
昨今のロシアとウクライナ、パレスチナやレバノンとイスラエル等の地域における紛争、 シリアのアサド政権崩壊による影響など、世界の現状は、残念ながらキャパの願った「人間を取り捲く状況を少しでもよいものにしよう」という思いとはほど遠いものです。それ故にこそ、いまあらためてキャパの写真証言を見直すことの意義があります。


崩れ落ちる共和国側の兵士、エスペホ近郊、 コルドバ前線、スペイン、1936年9月初め


少女の傍らで涙をながす年配の女性、マラガ前線、スペイン、1937年2月


シャール・アーリア移民一時収容所の子ども、ハイファ近郊、イスラエル、1950年


日本軍の空襲で廃墟となった住居跡に坐り込む女性、漢口、中国、1938年


パリ解放を祝う人びと、パリ、フランス、1944年8月26日


ナムディンからタイピンへの道(キャパが地雷を 踏んで死去する直前に撮影した一枚)
仏領インドシナ(現ベトナム)、1954年5月25日

※所蔵はすべて東京富士美術館

ロバート・キャパ(1913 - 1954)
1913年ハンガリーのブダペスト⽣まれたロバート・キャパ(本名アンドレ・フリードマン)。報道写真家として1930年代から死去までの20年余に世界各地の戦場を駆け巡り、臨場感あふれる作品を数多く残しました。とくにスペイン内戦での《崩れ落ちる兵⼠》や、ノルマンディー上陸作戦に同⾏して撮影した《D デー》は報道写真の歴史に残る傑作です。1947年にはアンリ・カルティエ゠ブレッソンやデヴィッド・シーモアらとともに国際写真家集団「マグナム・フォト」を結成しました。1954年に来⽇し、東京や奈良、⼤阪など訪れた後、第⼀次インドシナ戦争を取材に向かい、撮影中に地雷に触れ、40 年の⽣涯を閉じました。

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【主催】株式会社クレヴィス
【共催】東京都写真美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)
【協力】東京富士美術館