本日は開館しております(10:00-18:00)

《魁写真鏡俳優画》  大判錦絵三枚続  落合芳幾  明治3年  内田写真株式会社蔵
3F 展示室

夜明けまえ

知られざる日本写真開拓史 Ⅱ .中部・近畿・中国

2009.3.75.10

  • 開催期間:2009年3月7日5月10日
  • 休館日:毎週月曜日(休館日が祝日・振替休日の場合はその翌日)
  • 料金:一般 500(400)円/学生 400(320)円/中高生・65歳以上 250(200)円
  • ※各種カード割引あり

( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、上記カード会員割引(トワイライトカードは除く)/
小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料

日本全国の美術館、博物館、資料館等の公開施設を持った機関が所蔵する幕末~明治中期の写真・資料を調査し、体系化する初めてのシリーズ展「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史」の第二弾として「Ⅱ.中部・近畿・中国地方編」を開催します。
幕末の本にもたらされた写真は、まさに開国とともに訪れた先端技術であり、近代的西洋文明の象徴でした。
横浜や長崎などが開港、訪日する外国人写真師との関わりから、江戸の鵜飼玉川(うかいぎょくせん)や開港地の上野彦馬・下岡蓮杖(れんじょう)など、日本人の写真師が各地に現れます。彼らは、幕末~明治の近代化へ向かう日本と日本人を活写し、さらに次の世代へと伝承していきます。芸術表現に用いられる以前の写真にも、無意識だったにせよ芸術性は必ず宿っており、現在では貴重な作品です。では、このような初期の未分化な写真作品たちは、今どれほど存在しているのでしょうか。
本展では、第一弾の関東編に引き続き、現存する貴重なオリジナルの写真作品や多くの東京未公開作品を展覧します。中部・関西・中国地方の施設約2,000箇所へアンケート調査を行い、これに基づき学芸員が現地調査を敢行。写された像だけではなく、装丁や記されている文字など「物」として楽しめる初期写真史の逸品を一堂にご紹介します。

○展覧会の構成
本展では現存する貴重なオリジナルの写真・資料を、[1.であい] [2.まなび] [3.ひろがり]の三部構成で展覧します。
出品点数 294点


『ペリー日本遠征記』 フランシス・L・ホークス 安政3(1856) 年より 東京都写真美術館蔵


[1.であい]
現存する日本における最古の写真をもとにして制作された『ペリー遠征記』や、万延元年 (1860年)に日本からアメリカへ向かった遣米使節が現地で撮影された写真などから、日本における写真との出会いを紹介します。


《長澤与四郎像》 撮影者不詳 アンブロタイプ 万延元 (1860)年頃 伊豆の国市韮山郷土資料館寄託


[2.まなび]
日本人で最初の営業写真師であるといわれる鵜飼玉川による写真や、玉川開業以前に制作された可能性のある写真、幕末に写真を研究していたことを示す資料、美濃の写真研究者であり後に写真師となる小島(こじま)柳(りゅう)蛙(あ)による写真や鳥羽伏見の戦いの折に撮影された侍のアンブロタイプをはじめ、明治初年のクローズアップ写真や集合写真などによって、日本に定着し始めた時期の姿を紹介します。


《大阪城から見たパノラマ》 内田九一 鶏卵紙に手彩色 明治初 (1868-1877)年 内田写真株式会社蔵)


[3.ひろがり]
街の景観をとらえたパノラマ写真や名所をまとめたアルバムなど、個人で楽しむ写真から社会的役割を担っていくひろがりを紹介します。


《浅草十二階》 鶏卵紙 撮影者不詳 明治時代中期 高石市郷土資料室 蔵
「東海道五十三次」を筆頭とする浮世絵の名所絵は写真技術の普及によって、このような名刺判写真へと拡がりをみせる。本作裏面には「浅草十二階」との鉛筆書きはあるものの、制作者に関わる記述は見られない。他の作例を見ても、名所を被写体とする名刺判写真には署名のあるものは稀である。高石市は全国の名所写真を潤沢に収蔵している。


名刺判覗きからくり 明治時代 高石市郷土資料室蔵
名刺判写真を複数枚セットすることができ、両側から向かい合って鑑賞する装置。側面にあるハンドルを回すことで名刺判を送ることができ、回すたびに「チン! チン!」とかわいい音が鳴る。 極端に精巧なものと言うよりは、普及型を感じさせる部分があり、現在では失われた写真の鑑賞があったことを教えてくれる。

□主催:東京都 東京都写真美術館/読売新聞東京本社/美術館連絡協議会
□特別:日本大学芸術学部/NECディスプレイソリューションズ株式会社
□協賛:ライオン/清水建設/大日本印刷

関連イベント

担当学芸員によるフロアレクチャー
2009年3月13日(金) ~  終了致しました
2009年3月27日(金) ~  終了致しました
2009年4月10日(金) ~  終了致しました
2009年4月24日(金) ~  終了致しました
2009年5月4日(月・祝) ~  終了致しました
担当学芸員による展示解説を行います。(約1時間程度)
※当日有効の展覧会チケットをお持ちの方は、どなたでもご参加いただけます。

展覧会図録

夜明けまえ
東京都写真美術館
展覧会に合わせて刊行された、研究報告書。図版も一部収録。

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