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東京都写真美術館 TOKYO PHOTOGRAPHIC ART MUSEUM

開館時間 10:00-18:00

入館は閉館時間の30分前まで

上映は1Fの上映時間を参照

本日は開館しております(10:00-18:00)

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「しなやかな闘い ポーランド女性作家と映像 1970年代から現在へ」展
Ⅱ-3.新世代の感性と社会とのかかわり
作品紹介

アンナ・ヨヒメク&ディアナ・レロネク[1988‐]
《ディレクトレシィ(女性館長)》(ヴィデオ作品 2017)
アンナ・ヨヒメク(1988-)とディアナ・レロネク(1988-)は、それぞれ個別に活動する現代作家で、1つのプロジェクトを行うためにユニットを組みました。そのプロジェクトとは、とある美術館の館長公募に彼女たち二人組で応募し、美術館やその公募活動に差し入りながら行動をおこすというもの。女性であること、まだ若いこと、経験の浅い作家であること、そして二人組であることなどを考えれば、保守的傾向の強いポーランドの美術界にある施設で館長に選ばれる可能性はほとんどありません。しかし、このプロジェクトで彼女たちがおこした行動すべてが作品となるのです。本展に出展されるのは、応募動機資料として提出されたヴィデオ映像になります。まるでネット上にアップされる投稿動画のようなノリで、ふたりは美術界への不満など罵詈雑言をまくしたてています。

アンナ・ヨヒメク&ディアナ・レロネク Anna Jochymek / Diana Lelonek 《ディレクトレシィ(女性館長)》 2017年 DYREKTORESSY, 2017 シングルチャンネル・ヴィデオパフォーマンス・アクションの部分として)、カラー、サウンド(7分29秒) Single channel video (as part of a performative action), color, sound 7'29" Courtesy of the artists

ヤナ・ショスタク[1993‐]
《ミス・ポーランド》(2020年完成予定長編ドキュメンタリー映画・予告編より)
※共同監督・撮影:ヤクブ・ヤシュキェヴィチ
ヤナ・ショスタク(1993-)が移民問題に関心を寄せるのは、彼女自身も隣国ベラルーシ出身で、教育を受けるためにポーランドへ単身移ってきた移住者であるからです。リサーチを進めるうち、ショスタクは「移民」や「難民」という言葉そのものに差別的なニュアンスが含まれていることに着目することとなり、新しい呼称を考案して普及させようと考えます。その普及活動の一環として思い立ったのが、ミス・コンテストへの出場でした。ショスタクが参加する「ミス・ポーランド」は2019年8月現在も予選が開催されている最中であり、彼女の活動はFacebookやInstagramなどのSNSを使って報告されています。また、プロジェクトを追ったドキュメンタリー長編映像《ミス・ポーランド》が2020年完成予定です。本展では、このユニークなプロジェクトの一端を知ることができる映画予告編ほかを展示します。

ヤナ・ショスタク Jana Shostak ヤナ・ショスタク近影 2017年 Jana Shostak 2017 Photo:Nowak

ヴェロニカ・ヴィソツカ[1994‐]
《すべての問題の果て/ムペドツァンハオ》(ヴィデオ作品 1989)
映像に映されるおびただしい量の衣類。これは、経済先進国の国々で、エコ精神やチャリティー活動の名目によって消費者たちから集められ、リサイクル品として非先進国へと送られたものです。こうした活動は、欲望にまかせて消費を繰り返す先進国の人々にとって罪悪感を解消するための都合のよい口実となっていますが、すでに供給過多となっているために現地の人々に渡ることなく廃棄物の山となっています。
ポーランドは2004年のEU加盟以降、10年で計50パーセントの経済成長を遂げました。これは中・東欧諸国の中で最も高い成長率を示しています。そして2020年代を目前にした現在、社会主義時代を知らずに育った新しい世代が注目されつつありますが、本作を制作した1994年生まれのヴェロニカ・ヴィソツカもその一人です。アパレル産業のかかえる闇を告発し、豊かになった社会の背後にある大きな矛盾を浮き彫りにしようと試みるヴィソツカの作品は、日本にとっても同様の問題を投げかけているといえるでしょう。

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