本日は開館しております(10:00-20:00)

アンダース・エドストローム 〈Martin Margiela spring/summer 94〉より 1993年 作家蔵 ©Anders Edström
※新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、本展覧会は開催休止しておりましたが、7月19日まで会期を延長し、6月2日から開催いたします。
※新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、入場制限などを実施します。 ご来館のお客様は、必ずこちらをご確認ください。

2F 展示室

写真とファッション

90年代以降の関係性を探る

【会期延長】2020.7.19(日)まで

  • 開催期間:【会期延長】2020.7.19(日)まで  

休館日:毎週月曜日
料金:一般 800(640)円/学生 700(560)円/中高生・65歳以上 600(480)円 ※( )は当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引、当館年間パスポートご提示者(ご利用案内をご参照ください)/小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料 ※各種割引の併用はできません。

本展覧会では、「写真とファッション」をテーマに、1990年代以降の写真とファッションの関係性を探ります。
これまでのファッションが発展する過程において、写真は衣服が持つ魅力を伝えるという重要な役割を担ってきました。写真によって作り出されるイメージは、ときには衣服そのものよりも人々を惹きつけ、時代を象徴するイメージとなっています。
1990年代に入り、ファッションの魅力を伝えるという枠組みを超え、人々に訴えかけるイメージを作り出す写真家や、インディペンデントなスタンスで情報を発信するファッション誌が登場しました。新しい視点から生み出されたイメージは、人々の考え方やライフスタイルにも影響を与え、その後の世代にも繰り返し参照されています。
写真とファッションの関係性は、インターネットが普及した2000年代以降、さらなる変化を遂げます。かつては新聞や雑誌の編集者、記者など、限られた人々を介して伝えられていた最新のファッションショーや展示会の様子も、近年ではツイッターやインスタグラムなどのSNSを通して、タイムラグなく一般の人々の手元に届けられるようになりました。また、情報を受け取るだけではなく、タグ付けをしたセルフィー(自撮り)に代表されるように、受け手自身も様々な形で情報発信を行っています。
本展覧会は、長年にわたり文化誌『花椿』の編集者としてファッションやアートの世界を見つめてきた林央子氏を監修に迎え、国内外のアーティストによる作品を通して「写真とファッション」の関係性を探る試みです。時代のターニングポイントとなった稀少なファッション誌の展示などともに、様々な角度から写真とファッションをお楽しみください。

出品作家
アンダース・エドストローム、髙橋恭司、エレン・フライス×前田征紀、PUGMENT、ホンマタカシ

出品点数
101点(作品46点(うち参考出品3点)、資料55点)

展示風景
アンダース・エドストローム

                                                                                                                                                                     
髙橋恭司


Purple


here and there


エレン・フライス  前田征紀




ホンマタカシ


PUGMENT




すべてPhotograph: Mitsuhiro Koyama

アンダース・エドストローム Anders Edström
1966年、スウェーデン生まれ。1990年にパリ移住後、デザイナーのマルタン・マルジェラと仕事を始め、メゾン・マルタン・マルジェラの撮影を長年にわたって手がけた。ファッション・カルチャー誌『Purple』など、雑誌でも多くの作品を発表。主な個展に「Spreads」(Fullersta Gård、2019年)、主なグループ展に「Not in Fashion」(フランクフルト現代美術館、2010年)、「第2回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館、2010年)、「抽象と形態:何処までも顕れないもの」(DIC川村記念美術館、2012年)、「Elysian Fields」(ポンピドゥー・センター、2000年)など。


〈Martin Margiela spring/summer 94〉より 1993年 作家蔵 ©Anders Edström

髙橋恭司 Kyoji Takahashi
1960年生まれ。1990年代より広告や『Purple』などファッション・カルチャー誌で作品を発表。個展「夜の深み」(nap gallery、2016年)、「WOrld’s End」(nap gallery、2019年)、グループ展「Elysian Fields」(ポンピドゥー・センター、2000年)ほか。写真集に『The Mad Broom of Life』(用美社、1994年)、『Road Movie』(リトルモア、1995年)、『Takahashi Kyoji』(光琳社出版、1996年)、『Life Goes On』(光琳社出版、1997年)、『WOrld’s End』(Blue Sheep、2019年)など。

《Tokyo Girl》〈The Mad Broom of Life〉より 1992年 作家蔵 ©Kyoji Takahashi, courtesy of nap gallery

エレン・フライス Elein Fleiss
1968年、フランス生まれ。1992年から2000年初頭にかけて、インディペンデントな編集方針によるファッション・カルチャー誌『Purple』を発行。2004年から2008年まで、個人的な視点にもとづくジャーナリズム誌『The Purple Journal』を発行した。現在はフランス南西部の田舎町を拠点に、写真や文章による作家活動を行っている。

《Ici-bas (In this lower world)》 2019年 作家蔵 ©Elein Fleiss

前田征紀 Yukinori Maeda
現代美術作家、COSMIC WONDER主宰。写真、立体、絵画などで自身の経験した事象を主体とした精神的な空間を表現している。主な個展に「溌墨智異竜宮山水図」(タカ・イシイギャラリー、2018年)、主なグループ展に「ヨコハマトリエンナーレ2011 OUR MAGIC HOUR―世界はどこまで知ることができるか?―」(横浜美術館ほか、2011年)など。現在は京都北部の里山にある茅葺屋根の古民家を拠点に活動している。
 
《Spiritual Discourse》 2020年 作家蔵 ©Yukinori Maeda, courtesy of Taka Ishii Gallery

PUGMENT パグメント
2014年に東京で創設されたファッション・レーベル。人間の営みにおいて衣服の価値や意味が変容していくプロセスを観察し、衣服の制作工程に組み込む。ファッションにまつわるイメージと人との関係性に着目し、すでにある価値・環境・情報について別の視点を持つための衣服を発表している。主な発表として「1XXX‒2018‒2XXX」(KAYOKOYUKI / Utrecht / n id a deux、2018年)、「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」(東京都現代美術館、2019-20年)など。

〈Spring 2018〉より 2017年 (撮影:三野新) ©PUGMENT

ホンマタカシ Takashi Homma
1962年、東京生まれ。写真集多数、著書に『たのしい写真 よい子のための写真教室』(平凡社、2009年)がある。近年の作品集に『THE NARCISSISTIC CITY』(MACK、2016年)、『TRAILS』(MACK、2019年)、『Looking Through: Le Corbusier Windows』(一般財団法人 窓研究所/カナダ建築センター/ヴァルター・ケーニッヒ、2020年)など。現在、東京造形大学大学院客員教授。

PUGMENT×ホンマタカシ〈Images〉より 2019年 作家蔵 ©PUGMENT/©Takashi Homma


 
『Purple』vol.3(1999年)表紙 撮影:アンダース・エドストローム
『Purple(パープル)』:フランスで1992年に創刊された、ファッション・カルチャー誌。 創刊者の一人はエレン・フライス。


『here and there』vol.1(2002年)表紙
林央子(本展監修者)が2002年に創刊。同時代を生きるアーティストの対話から誌面が紡ぎ出されている。

本展監修者
林 央子 Hayashi Nakako
1966年生まれ。資生堂『花椿』編集部に所属(1988–2001年)の後、フリーランスに。2002年、同時代を生きるアーティストとの対話から紡ぎ出す個人雑誌『here and there』を創刊。2011年に刊行した『拡張するファッション』(スペースシャワーネットワーク)では、ファッションを軸に現代的なものづくりや表現の方法を探っている国内外のアーティストたちの仕事を紹介。2014年には、同書で紹介した作家たちを含むグループ展「拡張するファッション」展(水戸芸術館現代美術センター、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)が開催された。

※本展監修者の林央子さんより、本展へのメッセージをお寄せいただきました。
「90年代を知らない10代、20代の方がたくさん来てくださって、とても嬉しいです。 90年代は、ファッション写真にも内省的な側面が反映された時代だと思います。コロナ禍で、状況が大きく変わったいま、あらためてみても、見る側にとってしっくりとくるイメージが多いのではないでしょうか。この展覧会をみると、華美にするだけがファッションじゃないよ。ということを感じられると思います。今回の展覧会にはラグジュアリーファッションだけではないイメージがたくさんあります。ファッションは、大きな産業のなかに、ではなく、わたしたちの生活のなかに、あると言い切れます。服は着る側に主導権があります。この展覧会や図録を通して、普段から自分たちのなかに、わくわくとした気分を自分でつくりだすことができることを感じてもらえたらと思います。」
(2020年7月19日14:50 東京都写真美術館にて)



□主催:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館、読売新聞社、美術館連絡協議会
□協賛:ライオン、大日本印刷、損保ジャパン、日本テレビ放送網、東京都写真美術館支援会員

関連イベント

出品作家とゲストによる鼎談
2020年5月6日(水・振休) 15:00~16:30【開催中止】  終了致しました
髙橋恭司(出品作家) × 安野谷昌穂(美術家)×大城壮平(『VOSTOK』編集長)
会場:東京都写真美術館 2階ロビー
定員:50名
※当日10時より1階受付にて整理券を配布します。番号順入場、自由席。
PUGMENT(出品作家)による2020年秋冬コレクションのプレゼンテーション
2020年4月19日(日) 16:00~ 17:00【開催中止】  終了致しました
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名
※当日10時より1階受付にて整理券を配布します。番号順入場、自由席。
※開催時間は決定次第、お知らせします。
展覧会担当学芸員によるギャラリートーク/手話通訳つきギャラリートーク
2020年3月13日(金) 14:00~【開催中止】  終了致しました
2020年3月27日(金) 14:00 ~★手話通訳付き【開催中止】  終了致しました
2020年4月10日(金) 14:00~【開催中止】  終了致しました
2020年4月24日(金) 14:00~【開催中止】  終了致しました
2020年5月8日(金) 14:00~【開催中止】  終了致しました
会期中の第2、第4金曜日14:00より、担当学芸員による展示解説を行います。
展覧会チケット(当日消印)をご持参のうえ、2階展示室入口にお集まりください。
上記のうち、2020年3月27日(金)は手話通訳つきで行います。

本展関連サテライト展示
下記の会場で当館での展示に関連した作品や資料の展示を行います。
詳細は、PUGMENTが運営するPeopleおよびショップBEAMS JAPANのホームページでご確認ください。

People
開催期間:2020年3月20日(金)-4月5日(日)【終了致しました】
会場:東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T 2F
※会期中、金・土・日曜日のみオープン
https://wepeople.work/

BEAMS JAPAN
開催期間:2020年4月1日(水)-4月9日(木)【終了致しました】
会場:東京都新宿区新宿3-32-6 BEAMS JAPAN 4F
TEL: 03-5368-7300
www.beams.co.jp

代官山T-SITEおよび銀座 蔦屋書店ではフェアを開催。本展監修者林央子さんの『here and there』と出品作家エレン・フライスさんの『エレンの日記』もごらんいただけます。

代官山T-SITEの様子。詳細はこちら


銀座 蔦屋書店の様子。詳細はこちら

展覧会図録

写真とファッション 90年代以降の関係性を探る
 図版(出品作品より)、作家略歴、作品リスト、本展監修者/林央子および担当学芸員のテキストを掲載。 
 全116ページ ハードカバー 
 執筆・編集:林央子、伊藤貴弘(担当学芸員)  発行:公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館

図録一覧はこちら