本日は開館しております(10:00-20:00)

山崎博 〈CRITICAL LANDSCAPE〉より 1985年 作家蔵
2F 展示室

総合開館20周年記念
山崎博 計画と偶然

2017.3.75.10

  • 開催期間:2017年3月7日5月10日
  • 休館日:毎週月曜日[ただし5月1日(月)は開館]
  • 料金:一般 600(480)円/学生 500(400)円/中高生・65歳以上 400(320)円  ※ ( )は20名以上団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引(ご利用案内をご参照ください)/ 小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害をお持ちの方とその介護者は無料/第3水曜日は65歳以上無料

本展は写真・映像を「時間と光」というエッセンスによって捉え、1960年代末より活躍してきた作家・山崎博(1946-)の仕事をたどる公立美術館で初めての展覧会です。長時間露光によって太陽の光跡を視覚化した代表シリーズ〈HELIOGRAPHY〉をはじめ、〈水平線採集〉や〈櫻〉のシリーズなど代表的な写真作品と、また作家が写真と平行して追究してきた映像作品、さらに新作を含む出品点数約200点によって、現代のコンセプチュアルな写真・ 映像の先駆者・山崎博の歩みを今日的な視点から通覧します。
山崎の作品は光の現象のもつ無限の豊潤さや時の流れを感じさせます。作家はつねに一定の枠組みや単純化 された方法論をとりながら、「太陽」、「海」、「櫻」といった普遍的なものに一貫して取り組んできました。その作品 は、対象と装置、被写体とイメージの関係性を示唆するとともに、光の表現の豊かさや静謐で美的なクオリティ を獲得しています。
70年代の初め、山崎は「いい被写体を探して撮る」ことへの疑いから、「被写体を選ばずに撮る」ことを模索し、 自宅の窓のような制約のある風景、特徴のない単純な海景といった「与えられた枠組」の中で方法的な探求を行 うスタイルに行き着きました。計画性にもとづく制作と、写真行為の中で起こる偶然性がその作品の大きな特質 となっています。作家は「計画がなければ偶然もない」と言います。「計画と偶然」の二つの要素が相互に作用す ることで、山崎博の作品は成立しているのです。
本展は45年以上のキャリアにおよぶ作家の主な作品シリーズを通して、その表現世界の本質に触れる試みです。

【作家略歴】
1946年長野県生まれ。1968年日本大学芸術学部を中退。1969年から本格的に写真を始 め、1972年より平行して映画フィルムによる作品制作を始める。1983年長時間露光に よる太陽のシリーズで第33回日本写真協会新人賞を受賞。2001年第26回伊奈信男賞を 受賞。東京造形大学講師、東北芸術工科大学教授を経て2005年から武蔵野美術大学教 授(2017年3月まで)。1974年個展「OBSERVATION」(ガレリア・グラフィカ、東京) 以降、ニコンサロン他での個展、グループ展多数。主な著書『HELIOGRAPHY』(青弓 社、1983年)『水平線採集』(六曜社、1989年)他。


※掲載されました
モデルの高橋義明さんが本展を探訪。その様子が cinra.netで紹介されています。



〈EARLY WORKS〉より ≪山下洋輔≫ 1973年 東京都写真美術館蔵


〈OBSERVATION 観測概念〉より 1974年 東京都写真美術館蔵


〈水平線採集〉より 1994年 作家蔵


〈櫻〉より 1989年 東京都写真美術館蔵

□主催:東京都 東京都写真美術館/読売新聞社/美術館連絡協議会
□協賛:ライオン/大日本印刷/損保ジャパン日本興亜/日本テレビ放送網







関連イベント

対談「山崎博をめぐって」
2017年3月25日(土) 14:00~15:30 北野謙(写真家)× 石田哲朗(東京都写真美術館学芸員)  終了致しました
2017年4月16日(日) 14:00~15:30 金子隆一(写真史家)× 石田哲朗(東京都写真美術館学芸員)  終了致しました
定員:各回50名
会場:東京都写真美術館 1階スタジオ  
※当日午前10時より1階総合受付にて整理券を配布します。
※各回とも作家本人の出演予定はございません。
展覧会担当学芸員によるギャラリートーク
2017年3月10日(金) 14:00~  終了致しました
2017年3月24日(金) 14:00~  終了致しました
2017年4月14日(金) 14:00~  終了致しました
2017年4月28日(金) 14:00~  終了致しました
会期中の第2・第4金曜日14:00 より、担当学芸員による展示解説を行います。
展覧会チケット(当日消印)をご持参のうえ、2階展示室入口にお集まりください。

展覧会図録

山崎博 計画と偶然
主な出品作品図版、光田ゆり(美術評論家)、北野謙(写真家)、石田哲朗(当館学芸員)による執筆のほか、サムネイル付の出品リスト、作家略歴ほか 東京都写真美術館編集 武蔵野美術大学出版局発行 A4変形版 192頁 2,970円(税込)

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