現在地のまなざし
日本の新進作家 vol.21
2024.10.17(木)—2025.1.19(日)
- 開催期間:2024年10月17日(木)~2025年1月19日(日)
- 休館日:毎週月曜日(月曜日が祝休日の場合は開館し、翌平日休館)、年末年始(12/29-1/1)※1月2日(木)と3日(金)は10:00-18:00開館
- 料金:一般 700(560)円/学生 560(440)円/中高生・65歳以上 350(280)円 ※( )は有料入場者20名以上の団体、当館映画鑑賞券提示者、TOPMUSEUM PASSPORT 2024提示者(同伴者1名まで)、各種カード会員割引料金。※各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。※TOPMUSEUM PASSPORT 2024提示者は割引または無料(回数上限あり)/小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料/第3水曜日は65歳以上無料/1月2日(木)、3日(金)は無料/※各種割引の併用はできません。
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「日本の新進作家」展は、写真・映像の可能性に挑戦する創造的精神を支援し、将来性のある作家を発掘するために、新しい創造活動の展開の場として2002年より継続して開催しています。21回目となる本展では、社会、環境、人と人との関係性を自身の立ち位置から問い直し、写真を通して世界の断片を提示する5 名の作家たちの試みを紹介します。
私たちは、これまで当たり前と感じていた価値観が揺らぐような数々の出来事に直面し、変化のある時代に生きています。写真表現も、技術の進歩と普及、表現手法の多様化にともない、その環境は激変しています。本展の出品作家たちは自身の感性にしたがって世界と向き合い、独自の視点で思考を深めて作品として提示します。生物や日用品など身のまわりにあるささやかな存在に目を向けて、時間を留める手法として写真を扱う大田黒衣美、自身が暮らす土地の仮設的とも言える変化を止めない風景を、淡々と観察し、記録し続けるかんのさゆり、ドキュメンタリーの視点と虚実を混ぜたイメージで現実をあぶりだす千賀健史、一般的な概念にとらわれず個と個の距離と関係性を切り取る金川晋吾、かつて誰かが見た光景を通じて、見るものが持つ記憶を喚起させる原田裕規。表現する手法として写真を選びとり、しなやかなまなざしで現実をとらえる作家たちの作品は、現在を生きる私たちにいつもとはすこし異なる角度から世界を見る視点を与えてくれます。5 名の作家たちの多様な試みを通して、今日の、そしてこれからのまなざしの可能性を改めて見つめる契機となることでしょう。
出品作家
大田黒衣美|Otaguro Emi
かんのさゆり|Kanno Sayuri
千賀健史|Chiga Kenji
金川晋吾|Kanagawa Shingo
原田裕規|Harada Yuki
大田黒衣美|Otaguro Emi
福岡県生まれ。東京造形大学美術学科絵画科専攻卒業、東京藝術大学大学院修士課程油画科修了。2019年に文化庁新進芸術家海外研修制度を受けベルリンを拠点に活動。絵画、写真、映像、インスタレーションなど、さまざまな手法を用いて生み出される独自の風景は、鑑賞者のあいまいな感覚を刺激する。主な展覧会に「アーティスト@TAD 大田黒衣美『Boiled Aqua』」富山県美術館1階 TADギャラリー(富山、2024年)、「ねこのほそ道」豊田市美術館(愛知、2023年)、「食と現代美術 Part9—食とアートと人と街—」BankART1929(神奈川、2023年)、「DOMANI・明日展 2021」国立新美術館(東京、2021年)など。
大田黒衣美《sun bath》2023年 作家蔵 ©Emi Otaguro
かんのさゆり|Kanno Sayuri
宮城県生まれ。東北芸術工科大学情報デザイン学科映像コース(現 映像学科)卒業。2000年代初頭の大学在学中からデジタルカメラを使用した作品制作を行い、近作では自身の暮らす土地の暫定的で仮設的な風景の撮影を続けている。主な展覧会に「T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 2022 The Everyday-魚が水について学ぶ方法-」(東京、2022年)、「2020年若手アーティスト支援プログラム Voyage 風景の練習 Practing Landscape」塩竈市杉村惇美術館(宮城、2021年)、「写真の使用法 新たな批評性へ向けて」東京工芸大学 中野キャンパス3号館ギャラリー(東京、2015年)など。
かんのさゆり〈New Standard Landscape〉より 2022年 作家蔵 ©Sayuri Kanno
千賀健史|Chiga Kenji
1982年滋賀県生まれ。2008年大阪大学基礎工学部卒業。緻密で長期間に渡るリサーチを経て、ドキュメンタリーの視点と虚実を混ぜたイメージを作り出し、現実の社会問題をあぶりだす。主な展覧会に「千賀健史展『まず、自分でやってみる。』」BUG(東京、2024年)、「プリピクテジャパンアワード『Fire & Water』」東京都写真美術館(東京、2022年)、「写真新世紀展」東京都写真美術館(東京、2021年)、「第16回写真『1_WALL』グランプリ個展」ガーディアン・ガーデン(東京、2018年)など。第16回写真「1_WALL」グランプリ、第44回キヤノン写真新世紀優秀賞、第8回大理国際写真展最優秀新人写真家賞を受賞。アルル国際写真祭ダミーブックアワード2019及び2022ファイナリスト、シンガポール国際写真祭ダミーブックアワードグランプリなど手製本への評価も高い。
千賀健史〈HIJACK GENI〉より 2021年 作家蔵 ©Kenji Chiga
金川晋吾|Kanagawa Shingo
1981年京都府生まれ。2006年神戸大学発達科学部人間発達科学科卒業、2015年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。社会のなかで規範とされている役割を越えて、自身の視点にもとづき、自己と他者との流動的な関係性を写真や文章によって表現している。主な展覧会に、2022年「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」(森美術館)など。2016年『father』(青幻舎)、2023年『長い間』(ナナルイ)、『いなくなっていない父』(晶文社)などを刊行。長崎のカトリック文化や平和祈念像、自身の信仰をテーマにした『祈りと長崎(仮)』(書肆九十九)を刊行予定。第40回写真の町東川賞新人作家賞受賞。
金川晋吾〈father〉より 2009年 作家蔵 ©Shingo Kanagawa
原田裕規|Harada Yuki
1989年山口県生まれ。2016年東京藝術大学大学院美術研究科修士課程先端芸術表現専攻修了。とるにたらない視覚文化をモチーフに、テクノロジーやパフォーマンスを用いて、社会や個人の本性(ほんせい)を「風景」や「自画像」のかたちで表現している。2019年以降は断続的にハワイに滞在し、ピジン英語に代表されるトランスナショナルな文化的モチーフに着目。近年は日本ハワイ移民資料館、KAAT神奈川芸術劇場、京都芸術センター、金沢21世紀美術館、原爆の図丸木美術館などで個展を開催。作品収蔵先に広島市現代美術館、日本ハワイ移民資料館など。TERRADA ART AWARD 2023で神谷幸江賞を受賞。単著に『評伝クリスチャン・ラッセン』(中央公論新社)、『とるにたらない美術』(ケンエレブックス)。
原田裕規《One Million Seeings》2019年 作家蔵 ©Yuki Harada
協賛|東京都写真美術館支援会員
※東京都写真美術館が支援・展示している作品には、国内外の多様な事象を対象とした写真・映像作品が含まれています。鑑賞に不安を感じられる方は、スタッフへお声がけください。ご鑑賞・チケットご購入前にご説明させていただきます。展示作品の一部事例:多様な日常、性についての表現、騒音(警報音、サイレン音等)
※事業は諸般の事情により変更することがございます。 あらかじめご了承ください。
関連イベント
- ワークショップ「写真集を見ながら語る会」
- 2024年12月13日(金) 18:00~19:45
講師に出品作家のかんのさゆりさんを迎え、かんのさんが選んだ風景写真に関する写真集を見ながら、風景について対話をするワークショップを開催します。
風景写真の系譜をたどりながら、日本の風景の変化や写真集で写真を見ることについて、かんのさんと参加者のみんなで対話をします。
本ワークショップにて、展示室で写真作品を見る体験とは異なる写真集でじっくりと写真に向き合う体験をしながら、風景についてともに考えてみませんか。
講師|かんのさゆり(出品作家)
会場|東京都写真美術館内
定員|10名(事前申込制、先着順)
参加費|無料
対象|どなたでも
申込方法|
電子メールで、①参加者の氏名、②電話番号、③応募動機をご記入の上、下記のメールアドレスまでお送りください。
メール件名には「「現在地のまなざし 日本の新進作家 vol. 21」展ワークショップ」と必ずご記入下さい。
申込メールアドレス|top_evententry@topmuseum.jp
申込最終締切|12/9(月)12:00
※先着順につき定員に達した時点で申込締切となります。ご了承ください。
注意事項|
〇お電話、郵送、FAX等でのお申込はできませんので、あらかじめご了承ください
〇「参加のご案内」メールを、お申込みの際のメールアドレス宛に、当館より送信させていただきます。参加の詳細は「参加のご案内」メールをご確認ください。
〇キャンセルされる場合については、上記の「参加のご案内」メールで方法等をご確認ください。
〇当館からの返信メールが迷惑メールと誤判定されて届かない場合や、自動的に迷惑メールフォルダに振り分けられているケースがまれに見受けられます。お申込みの前に受信環境をご確認いただきますようお願いいたします。
〇諸般の事情により内容を変更することがございます。あらかじめご了承ください。 - 出品作家とゲストによるトーク(かんのさゆり×千賀健史×金川晋吾×きりとりめでる)
- 2024年12月14日(土) 14:00~17:00
講師:かんのさゆり(出品作家)、千賀健史(出品作家)、金川晋吾(出品作家)、きりとりめでる(美術批評家)
会場:東京都写真美術館1階ホール
定員:190 名(整理番号順入場/自由席)
参加費:無料
※当日 10:00 より 1 階総合受付にて整理券を配布します。 - 出品作家とゲストによるトーク(大田黒衣美×原田裕規×中村史子)
- 2025年1月18日(土) 15:00~17:00
講師:大田黒衣美(出品作家)、原田裕規(出品作家)、中村史子(大阪中之島美術館主任学芸員)
会場:東京都写真美術館1階ホール
定員:190 名(整理番号順入場/自由席)
参加費:無料
※当日 10:00 より 1 階総合受付にて整理券を配布します。 - 出品作家による上映
- 2024年11月2日(土) 15:00~ 終了致しました
2025年1月11日(土) 15:00~
〇11/2上映作品
金川晋吾《father 2011-2013》2021年/カラー、サイレント/37分
金川晋吾《father 2015.05.18》2015年/カラー、サウンド/54分/西澤諭志との共作
金川晋吾《father 2008.12.08》2008年/カラー、サウンド/5分
〇1/11上映作品
金川晋吾 新作(タイトル未定)
会場:東京都写真美術館1階ホール
定員:190 名(整理番号順入場/自由席)
参加費:無料
※当日 10:00 より 1 階総合受付にて整理券を配布します。 - 担当学芸員によるギャラリートーク(手話通訳付き)
- 2024年11月22日(金) 14:00~
2024年12月20日(金) 14:00~
担当学芸員によるギャラリートークを手話通訳付きで行います。どなたでもご参加いただけます。
会場|東京都写真美術館 3階展示室
参加費|無料(要チケット提示)
※当日有効の「現在地のまなざし 日本の新進作家 vol. 21」展チケット(「TOPMUSEUM PASSPORT 2024」「東京・ミュージアム ぐるっとパス」を含む)または、展覧会無料対象の方は各種証明書等のご提示が必要です。 - 担当学芸員によるギャラリートーク
- 2024年11月1日(金) 14:00~ 終了致しました
会場|東京都写真美術館 3階展示室
参加費|無料(要チケット提示)
※当日有効の「現在地のまなざし 日本の新進作家 vol. 21」展チケット(「TOPMUSEUM PASSPORT 2024」「東京・ミュージアム ぐるっとパス」を含む)または、展覧会無料対象の方は各種証明書等のご提示が必要です。 - 【展覧会図録】
- 現在地のまなざし 日本の新進作家 vol.21
B5判、160ページ、2,800円(税込)、東京都写真美術館発行
きりとりめでる(美術批評家)、小林麻衣子(東京都写真美術館学芸員)による論考、作家ステートメント、主な出品作品図版のほか、きりとりめでる氏が監修した『写真関連年表』を掲載。
本展図録に掲載している「写真関連年表」の英語版はこちらです。
展覧会図録
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現在地のまなざし 日本の新進作家 vol.21
B5判、160ページ、2,800円(税込)、東京都写真美術館発行
きりとりめでる(美術批評家)、小林麻衣子(東京都写真美術館学芸員)による論考、作家ステートメント、主な出品作品図版のほか、きりとりめでる氏が監修した『写真関連年表』を掲載。