Kiss, or Dual Monitors
目を閉じた顔を写したモニターを2枚、キスをしているような形に配置した作品。Body Paintシリーズでも言及されている、情報機器の身体化が進む時代に、機器の表面に迫り出してきている「触覚」を想起させることが狙われている。ブルックリンにあるNars Foundationでのオープンスタジオに合わせて制作され、その場で来場者を撮影する公開制作の形で作られた。最終的に撮影された50人の中から、人種や性別が多様になるように、また顔が動きすぎると映像としてのフレームが意識されすぎてしまうために、顔の動きが程よいものが約20人選択された(そういう意味で何人かいた子供はほぼ採用にならず)。当初は鉄製の台座で持ち上げられる形が構想されたが、最終的に天井からワイヤーで吊る形になった。水戸芸術館「ハロー・ワールド ポスト・ヒューマン時代に向けて」展では、大量のケーブルを床に敷き詰めたインスタレーションとして、また後に腕の3Dプリント彫刻と組み合わさった「The Kiss」へと展開された。