Click and Hold (series)
マウスカーソルがキャンバスに描かれた絵画作品。キャンバスは傾いて取り付けられるが、その際にマウスカーソルはコンピュータの画面上と同じ角度のまま傾いていない。物質が物理法則(重力)に則って傾くのに対して、情報空間はその影響を受けないことに着目、物質と情報の関係性を重ね合わせた絵画として実現されている。2019年に個展「LO」(WAITINGROOM, 東京)で発表された時に、座標のアイデアと釘が追加され、壁の上の絵画を取り付ける座標と、対応したキャンバス上の座標の位置に釘を打ち、キャンバスを自然に傾かせた後からカーソルを正しい角度で描くという方法が導入された。キャンバスの右下(傾いた後は右下とは限らない)にはサインと座標、解像度が手描きされる。同年、個展「U&I」(NOWHERE, NY)では、15m x 4mの壁面にプログラムによって生成された24のランダムな点とサイズのキャンバスでインスタレーション化されたが、会期途中に上階からの水漏れによりほぼ全てのキャンバスがダメージを受け、重力による水の筋がキャンバスに書き足されることになった。