本日は開館しております(10:00-20:00)

奈良美智《NY Drawing (left); Yogyakarta Cat (right)》〈days 2003-2012〉より 2003–2012年 東京都写真美術館蔵 ©Yoshitomo Nara
3F 展示室

TOPコレクション セレンディピティ

日常のなかの予期せぬ素敵な発見

2023.4.77.9

  • 開催期間:2023年4月7日7月9日
  • 休館日:毎週月曜日(ただし、5月1日は開館)
  • 料金:一般 700(560)円/学生 560(440)円/中高生・65歳以上 350(280)円 ※( )は有料入場者20名以上の団体、当館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引料金 *各種割引の詳細はご利用案内をご参照ください。各種割引の併用はできません。/小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害者手帳をお持ちの方とその介護者(2名まで)、年間パスポートご提示者は無料/第3水曜日は65歳以上無料

本展はオンラインで日時指定チケットが購入できます。
東京都写真美術館オンライン日時指定予約サイトwebket
日時指定チケットの購入はこちら(外部サイト)

 「セレンディピティ」という言葉があります。「セレンディップの三人の王子」というペルシアのおとぎ話を由来とするこの言葉には、「偶然と才気によって、予期しない発見をすること」という意味があります。

たとえば、こんな経験はないでしょうか。偶然見つけたポストカードの写真に心が動いたり癒やされて、壁に貼っておいたり、大切に手帳にはさんでとっておいたり。あるいは、撮りためたたくさんの写真を見返してみたら、そのうちの2枚が撮影した場所や時間を越えてつながって、それまで気づかなかった何かを発見したり。それはまさしくセレンディピティの産物といえるでしょう。

本展覧会では、約3万7千点に及ぶ当館の収蔵作品のなかから、セレンディピティをキーワードに、ありふれた日常の何気ない一瞬を撮影した作品などを見ていきながら、写真家たちに訪れたささやかな心の機微を探ります。そしてまた、展覧会を見るという行為自体も、予期しない出来事との出会いにあふれた、セレンディピティな体験です。 何年も続く制限された日々のなかで、様々な辛い出来事や不都合な出来事をたくさん経験してきた私たちですが、こうした写真家たちの視点をヒントに、セレンディピティの産物としての癒やしや心の豊かさを回復する種を見つけることができるかもしれません。

しずかな視線、満たされる時間
日常というありふれた世界も、ちょっと視点を変えてみれば、様々な気づきにあふれています。ずっと前からすぐそこにあったのに気づかなかったことの発見は、まさしくセレンディピティな現象として、予期しないタイミングで私たちに訪れます。世界を切り取ることによって表現する写真というメディアを使って、作家たちが日常のなかのささやかな発見を捉えた作品を紹介します。

出品作家:吉野英理香、牛腸茂雄、北井一夫、島尾伸三、潮田登久子、今井智己

吉野英理香〈ジョビン》より 2022年 作家蔵 吉野英理香〈ジョビン》より 2022年 作家蔵
吉野英理香〈ジョビン〉より 2022年 作家蔵

牛腸茂雄〈日々〉より 1967-1970年
牛腸茂雄〈日々〉より 1967-1970年 東京都写真美術館蔵

潮田登久子《冷蔵庫》 1999年
潮田登久子《冷蔵庫》 1999年 東京都写真美術館蔵

窓外の風景、またはただそこにあるものを写すということ
ひとつのイメージを目の前にすると、私たちはそこに何かを見出し、そして見た人によってはとても大切な意味を持つことがあります。このセクションでは、作家たちが「ただ、そこにあるものを写しとる」という行為によって得られたイメージが、それを鑑賞する人におこすセレンディピティについて考えてみます。 

出品作家:鈴木のぞみ、佐内正史、葛西秀樹、エドワード・マイブリッジ、山崎博、浜田涼、相川勝

鈴木のぞみ《柿の木荘2階東の〈Other Days, Other Eyes〉より 2016年
鈴木のぞみ《柿の木荘2階東の窓〈Other Days, Other Eyes〉より 2016年 東京都写真美術館蔵

エドワード・マイブリッジ《犬。駆ける白い競走犬、マギー》〈アニマル・ロコモーション〉より 1887年
エドワード・マイブリッジ《犬。駆ける白い競走犬、マギー》〈アニマル・ロコモーション〉より 1887年 東京都写真美術館蔵

相川勝《ランドスケープ》 2019年
相川勝《ランドスケープ》 2019年 東京都写真美術館蔵

ふたつの写真を編みなおす
撮影した場所や時間を越えて2つの写真が、写真家が全く予期していなかった何かの関係性によって結ばれることがあります。それはまさしくセレンディピティの産物といえるでしょう。写真は、編みなおされることにより、それぞれを別に見た時の意味に加えて、2つが並ぶことで生まれる意味を帯び、作品としての豊かさを増していきます。

出品作家:奈良美智、齋藤陽道、中平卓馬、エリオット・アーウィット

齋藤陽道 《感動》より 2011年 齋藤陽道 《感動》より 2011年
齋藤陽道 《感動》より 2011年 東京都写真美術館蔵

中平卓馬 〈日常〉より 1990-1996年 中平卓馬 〈日常〉より 1990-1996年
中平卓馬 〈日常〉より 1990-1996年 東京都写真美術館蔵


作品にまつわるセレンディピティ
優れた作品を生み出す作家たちも、みな私たちと同じように日々を生き、毎日を暮らしています。日常のなかでセレンディピティが訪れ、作品制作のきっかけになった作品や、鑑賞するうちに、私たちに思いがけない発見が訪れる作品などを紹介します。

出品作家:本城直季、井上佐由紀、石川直樹、ホンマタカシ、畠山直哉

本城直季《東京 日本 2005》〈small planet〉より 2005年
本城直季《東京 日本 2005》〈small planet〉より 2005年 東京都写真美術館蔵

石川直樹《Mt. Fuji》2008年
石川直樹〈Mt. Fuji〉より 2008年 東京都写真美術館蔵

ホンマタカシ《Tokyo and My Daughter》1999年
ホンマタカシ《Tokyo and my Daughter》1999年 東京都写真美術館蔵

※事業は諸般の事情により変更することがございます。 あらかじめご了承ください。

主 催|東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都写真美術館

関連イベント

担当学芸員によるギャラリートーク
2023年5月19日(金) 14:00~  終了致しました
会場|東京都写真美術館 3階展示室
参加費|無料(要チケット提示)
※当日有効の「TOPコレクション セレンディピティ」展チケットまたは展覧会無料対象の方は各種証明書等をご持参の上、3階展示室入口にお集まりください。
担当学芸員によるギャラリートーク(手話通訳付き)
2023年6月16日(金) 14:00~  終了致しました
担当学芸員によるギャラリートークを手話通訳付きで行います。どなたでもご参加いただけます。
会場|東京都写真美術館 3階展示室
参加費|無料(要チケット提示)
※当日有効の「TOPコレクション セレンディピティ」展チケットまたは展覧会無料対象の方は各種証明書等をご持参の上、3階展示室入口にお集まりください。

展覧会図録

TOPコレクション セレンディピティ 日常のなかの予期せぬ素敵な発見
イラストにより作品を紹介するものがたりパート(18ページ)、担当学芸員によるテキスト、出品作品図版を掲載
体裁:A5 変形(W148mm×H148mm、144 ページ) 発行元:東京都写真美術館 価格:1,800 円(税込)

図録一覧はこちら